2020 Fiscal Year Research-status Report
抗菌作用と石灰化作用を併せもつデュアルファンクショナル・ゼオライトフィラーの創出
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20K09966
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
新谷 耕平 朝日大学, 歯学部, 助教 (50824455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 克史 朝日大学, 歯学部, 准教授 (00322818)
川木 晴美 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70513670)
上野 恭平 朝日大学, 歯学部, 助教 (70837848)
玉置 幸道 朝日大学, 歯学部, 教授 (80197566)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゼオライト / 機能性フィラー / イオン交換 / レジン / 吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、有効成分を徐放し、外毒素を吸着除去可能なテーラーメイドな多機能型フィラーを創出することである。具体的には、均一な微孔構造を有する機能性無機多孔材料であり、高いイオン交換能を有するゼオライトをフィラー材料として使用し、骨格の負電荷を補償するために存在するナトリウムイオンを歯科治療に有効な成分である抗菌効果をもつ銀イオンや亜鉛イオン、石灰化誘導が期待されるカルシウムイオンなどへと変換し、その含有量比を変化させることで、患者および治療部位に適したテーラーメイドな陽イオン徐放型フィラーの合成を目指す。 本年度はまず、骨格構造および結晶サイズの異なるNa型ゼオライト(4A:50 nm、4A:300 nm、ZSM-5:100 nm)を用意し、ゼオライト内への各種イオンの導入およびその含有量の調整を行った。各ゼオライト粉末のイオン交換は、様々な濃度の塩化カルシウム, 硝酸銀, 塩化亜鉛, 硫酸亜鉛水溶液を使用し、ゼオライト粉末の各種水溶液中への浸漬時間や温度を変化させることで、ゼオライト内に存在するナトリウムイオンをカルシウムイオン, 銀イオン, 亜鉛イオンと交換したゼオライトサンプルを調製した。イオン交換前後のゼオライト粉末に対する分析は、X線構造回折解析(XRD)、走査型電子顕微鏡(SEM)、エネルギー分散型X線分析(EDS)および蛍光X線分析装置(XRF)により評価を行い、異なるイオン種およびイオン量を有するゼオライト粉末が得られたことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進んでいる。2021年度の学会にて発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られたイオン交換条件がゼオライトへのイオン導入量に与える影響の知見をもとに、様々なイオン種および含有量をもつCa/Ag/Znイオン含有ゼオライトサンプルの調製も行う。そして、各種イオン含有のゼオライトサンプルにおけるイオン徐放能を生理食塩水および疑似体液中へ浸漬することで評価し、イオン濃度は誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)で分析する。徐放されたイオンを含む培地を用いて、ヒト歯髄由来幹細胞や歯肉由来細胞の培養を行い、イオンの作用を評価する。そして培養系にゼオライト試料を添加し、菌数変化や、銀合金を共存させ、銀の黒化現象の変化により評価を行う。
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Research Products
(9 results)