2021 Fiscal Year Research-status Report
アクチン動態に基づく臍帯由来間葉系幹細胞における骨芽細胞分化誘導法
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20K10010
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩竹 真弓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (40624614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住田 吉慶 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (50456654)
長村 登紀子 (井上登紀子) 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70240736)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 臍帯由来間葉系幹細胞 / 骨再生 / アクチン重合 |
Outline of Annual Research Achievements |
臍帯間葉系幹細胞(MSC)のゲル上培養で得られる骨芽細胞分化細胞(UC-OB)は移植した試料で骨形成量が亢進したことから、その作用機序について解析を進めた。薄切切片のHE染色では血管新生が認められたという知見をもとに、投与細胞について血管形成能の観点から関連マーカーの遺伝子発現を実施した。その結果、UC-OBはCD34やCD31およびVEGF-Aといった新生血管に関与する遺伝子が高発現し、抗炎症マーカーが発現減少することが分かった。 その作用機序からUC-OB移植によって骨芽細胞分化の促進に繋がり、生体内での骨形成量の亢進をもたらすことが示唆された。 また、UC-OBが破骨細胞形成に与える影響について、RANKL誘導破骨細胞前駆細胞およびhUC-MSCとの共培養によりin vitroで検討した。Tartrate-resistant acid phosphatase(TRAP)染色により、細胞接触アッセイとtranswellアッセイの両方でMSCが破骨細胞形成を抑制することを示した。特にtranswellアッセイでは、ウェル内の破骨細胞形成がほぼ完全に阻害された。したがって、細胞-細胞間の接触が破骨細胞形成の刺激に対して、大きく抑制効力を有することが示唆された。 さらに骨粗鬆症モデルマウスにおいてUC-OB移植を尾静脈投与による治療効果を検証した。 in vitroおよびin vivo両方で破骨細胞形成関連マーカーの抑制効果が観察され、形態解析においても過剰な破骨細胞形成の抑制効果を確認することができた。 この結果から、本研究で開発したUC-OBは局所投与のみならず、静脈投与による炎症部位へのデリバリーの有効性を立証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示したように、当初の研究目的・研究実施計画に従って順調に研究を遂行し、研究成果を公にすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,研究実施計画に従って研究を進める。現在のところ、研究計画の変更の必要や研究遂行上の大きな課題は生じていない。
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Causes of Carryover |
当初研究計画で予定していたマイクロアレイ解析の条件設定を見直し、次年度に纏めて実施する予定である。そのため、次年度使用額が生じた。 繰り越し金は当該解析費用に充てる予定である。
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