2020 Fiscal Year Research-status Report
骨梁三次元有限要素モデルの応力からインプラント過重負担と辺縁骨吸収との関連を探る
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20K10031
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 良明 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (10301186)
黒川 孝一 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60215085)
田中 茂雄 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (20262602)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯学 / 骨応力予測 / 口腔インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的を達するために、最初に多くの対象症例において口腔インプラント機能負荷開始時における辺縁骨の形態とインプラント周囲骨の応力分布をベースラインとするアーカイブを構築する必要がある。そのために2020年度は学内倫理委員会の承認のもと、「初期モデル」の骨梁三次元有限要素モデル作成とその解析に用いる荷重条件に必要なデータの収集を開始した。具体的に、歯科インプラント治療を予定し、当大学病院においてインプラント体埋入部位の骨診断のために術前にCT撮影を行う患者から同意を得て顎骨のCT画像データおよび咬合検査データを取得した。 得られたCT画像は歯科用コーンビームCTとヘリカルCTと2種類であった。三次元有限要素モデル作成に当たり画像を分析した結果、歯科用コーンビームCTの画像では海綿骨の構造までモデル化可能であると判断したが、ヘリカルCTの画像では海綿骨の詳細な再構築は困難であるため、形態を単純化した物質設定による力学的に同等性を示すモデルで対応可能な方略を検討する必要があることがわかった。 また、応力解析の準備として、インプラント治療が上部構造の装着まで行われた患者より上部構造装着後の咬合検査データを得て各歯およびインプラントそれぞれに加わる力と対合歯との接触面積を算出した。 また、本年度は新コロナウイルス感染症の影響で対象者として本研究に参加可能な新規患者が大幅に減少したため、本研究の対象者は少なかった。そこで、当該年度後半に研究の対象施設を1つ追加できるように学内倫理委員会に申請し、承認を得た。これから自施設と新たな施設で研究対象者の増加を目指して本研究を続けていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度は新コロナウイルス感染症の影響で本研究に参加可能な新規患者が大幅に減少し、本研究の対象者も少なく、研究対象として取得したCT画像データおよび咬合検査データは当初想定していたよりも少なかった。 一方、研究対象施設の追加に向けて準備を進め、1施設の追加を学内倫理委員会から承認を得たことで今後は対象患者の増加が見込め、残りの4年間で研究が遂行可能であると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度では自施設と新たな施設で研究対象者のエントリーをすすめ、同意のもとに得られたCT画像データと咬合検査データを研究対象とする。本研究のベースラインとするアーカイブ構築に向けて歯科用コーンビームCTデータと咬合検査データを基に「初期モデル」の骨梁三次元有限要素モデルの作成・応力解析を進める。 また、ヘリカルCT画像を用いて骨梁三次元有限要素モデルと力学的な同等性を有する三次元有限要素モデルの作成を目指す。
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Causes of Carryover |
新コロナウイルス感染症の影響で本研究に参加可能な新規患者が大幅に減少したため、当初購入予定の消耗品は該当年度中に購入する必要はなく次年度に研究対象者のモデル作製・解析に使用することにした。 また、当初出席予定であった学会の学術大会は中止や延期となったことも次年度使用額の発生理由となった。その金額は学会の次年度ウェブ上開催予定の大会等への参加に使用することにした。
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