2021 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of implant capability from the aspect of cellular morphology regulation by surface topography and osteoimmunology
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20K10054
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荻野 洋一郎 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50380431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 特別教員 (50195872)
高橋 良 九州大学, 歯学研究院, 助教 (60637924)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インプラント / 表面形状 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インプラント体(チタンディスク)と生体の要素(細胞種)を複数条件設定し、それぞれの条件下における細胞の挙動を検証することを目的としている。 2021年度は、マイクロサーフェイス、ナノサーフェイスを持ったチタンディスク上で間葉系幹細胞を播種し、細胞骨格の形成について検討した。細胞骨格の形成に関与するsmall GTPase proteinのRhoAはスムースサーフェイスでは細胞機能に大きく影響するものの、表面が粗いマイクロサーフェイス、ナノサーフェイスでは限定的であることが知られている。また、RhoAの発現はマイクロサーフェイス、ナノサーフェイスではスムースサーフェイスと比較して高いことが明らかになった。細胞の接着や移動に関与するfocal adhesin kinase(FAK)とpaxillinの各サーフェイス上におけるリン酸化をウェスタンブロットで検索したところ、どちらもマイクロサーフェイスで高いリン酸化を認めた。さらにRhoAの発現抑制剤であるC3 exoenzymeとRhoA kinaseの発現抑制剤であるY-27632を添加しそれぞれのリン酸化を確認したところ、それぞれナノサーフェイスではリン酸化の程度は低かった。一方、RhoA activatorを添加してところ、マイクロサーフェイスではそのリン酸化が促進されたようであるが、他のサーフェイスにおいてはその促進効果は認めなかった。この検証については培養条件等を変更し、再度検証が必要と考えている。 次にマクロファージ由来のRaw264.7細胞を同じくチタン上に播種したところ、細胞の形態は確認できたものの、細胞から分泌される走化性因子について検討したが、十分な量の回収に至らなかったようであった。新たに細胞を購入したために、今後再度検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
破骨細胞系の実験系において、細胞の劣化等により期待していたよりも研究が進まなかった。新たに購入した細胞を用いて今後対応を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は同様の実験をチタンのぬれ性(表面の化学的特性)に注目して取り組んでいく。さらに破骨細胞系の実験系については、細胞を新たに購入したことにより、部分的には検証が必要であるが、おおよそこの細胞を用いて骨芽細胞とのネットワークに関する検証ができるのではないかと考えている。現在はSDF-1(CXCL12)やTNF-alphaなどの因子の発現がが細胞表面やぬれ性によってどのような影響を受けるのか、検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初、予定した情報取集や学会参加などの費用分が含まれている。新年度では学会参加を現在予定しており、さらに消耗品や細胞の購入など、当初予定してなかった物品購入も予定しているために経費としては当初の予定よりも必要となる可能性が高いために、繰り越した分も含め、研究費としての必要性があると考えている。
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