2022 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of implant capability from the aspect of cellular morphology regulation by surface topography and osteoimmunology
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20K10054
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荻野 洋一郎 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50380431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 特別教員 (50195872)
高橋 良 九州大学, 歯学研究院, 助教 (60637924)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インプラント / 表面形状 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インプラント体(チタンディスク)と生体の要素(細胞種)を複数条件設定し、それぞれの条件下における細胞の挙動を検証することを目的としている。 2022年度は前年度より継続していたチタン表面のぬれ性の経時的変化の継続実験と破骨細胞様細胞の形成実験、さらには条件を変化させた状態でその分化能を検証した。 チタン表面の解析については、マイクロサーフェイス、ナノサーフェイスともに粗さ、形状(SEMによる観察)では変化がなかった一方でぬれ性については、作製直後はともに超親水性を示したにも関わらず、経時的にぬれ性は低下した。この低下については、マイクロサーフェイスの方が早期に発生することが示された。 破骨前駆細胞では今回、購入したRAW-D細胞を使用した。破骨細胞への分化については、破骨細胞誘導因子であるreceptor activator of nuclear factor-kappa B ligand(RANKL)とtumor necrosis factor-alpha (TNF-α)、macrophage colony-stimulating factor(M-CSF) を使用した。それぞれのTRAP陽性多核細胞の形成能を検証することで試適濃度の検討を行い、RANK:20ng/mlに加えてTNF-α:1.0ng/ml、M-CSF:1.0ng/mlとした。これらを踏まえて培養実験を継続している。また、骨芽細胞からの因子としてbone morphogenetic protein(BMP)の使用も予備的に行っており、こちらの破骨細胞系の細胞への影響(細胞形成能と細胞活性能)を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究途中にそれまで取引をしていた業者の担当者の変更があり、さらにはインキュベーターの故障が起きたために一定期間の研究停止があった。現在は研究可能となったが、現在、細胞の分化が悪くなったために、今後細胞、あるいは必要溶液の購入とその効果の検証が必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまで同様にチタンのぬれ性(表面の化学的特性)に注目した細胞反応の変化に取り組んでいく。さらに破骨細胞系の実験系については、再度分化能の検証を行った後にチタン上での培養、あるいはそれぞれの細胞からの関連因子の産生量を検証し、相互作用と細胞の走化性について検証を継続していく。実際の細胞の走化性も併せて検証すること、また、細胞の分化や走化性に関連する因子の単味での検証も併せて行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究課題は、コロナ禍以前の研究課題であり、この差額は3年間の国外旅費として計上していた額にほぼ相当する。今後は、再度細胞や細胞培養に関連する部分の購入費、培養実施に伴う実験遂行費として計上する予定である。継続して研究を行うために国内外の旅費としても計上する予定である。
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