2021 Fiscal Year Research-status Report
歯肉溝滲出液中エクソソームを用いたリキッドバイオプシーの可能性
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20K10083
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
川本 章代 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (50368156)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | miRNA / 歯肉溝滲出液 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病罹患患者における歯周病の増悪、ならびに歯周病罹患患者における糖尿病の増悪など、両疾患は相互に関係することが知られているところである。また、種々のがん患者や、アルツハイマー型認知症患者などと健常者の血清や脳脊髄液miRNAの発現パターンを比較し特有のmiRNAを同定した報告がある背景より、歯科領域において採取できる唾液や歯肉溝滲出液からもmiRNA採取が可能であれば、リキッドバイオプシーが可能ではないかと考え、今回は糖尿病関連歯周病特有のmiRNA発現パターンを探索することを目的として、歯肉溝滲出液からエクソソームを抽出し、エクソソーム中miRNAを探索することとした。 歯肉溝滲出液からのエクソソームの採取を確実なものとするために、事前にELSAー2000ZSを用いて粒子径測定を実施した。エクソソームの粒子径は30~150nmと言われており、エクソソームの検出を示す100nm前後にピーク波形を確認し、手技を確実なものにした。 糖尿病罹患患者と非糖尿病罹患患者からの歯肉溝滲出液の採取に先立ち、6点法による歯周精密検査を実施した。歯周病の程度や有無は、歯周治療のガイドライン2022(特定非営利活動法人日本歯周病学会編)を参考にした。出血部位からの採取はできないため、検査とは別日にPeriopaperを歯肉溝に挿入し歯肉溝滲出液を採取した。同日に十分量が採取できない場合は、2回にわけて採取した。ペリオペーパーにて採取後、冷凍(-80度)で保存した。網羅的解析はすべての試料がそろってから同日にエクソソーム抽出を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染による患者受診控えもあり、被験者からの試料採取がスムーズにいかなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
すべての試料が集まった時点で直ちに網羅的解析を実施し、各条件におけるmiRNA発現パターンの比較を実施する。
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Causes of Carryover |
網羅的解析を次年度に回したため、繰り越して使用することになった。
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