2023 Fiscal Year Research-status Report
歯肉溝滲出液中エクソソームを用いたリキッドバイオプシーの可能性
Project/Area Number |
20K10083
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
川本 章代 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (50368156)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | エクソソーム / 歯肉溝滲出液 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性歯周炎患者、ならびに慢性歯周炎と糖尿病を併発する患者の、上顎前歯を防湿後、歯肉溝にペリオペーパーを挿入し、染み出た浸出液を歯肉溝滲出液として採取した。血液の混入したペリオペーパーは取り除いた。慢性歯周炎は、歯周ポケット深さ、プロービング時の出血、歯の動揺度の測定から診断した。回収したペリオペーパーは、解析まで-80度にて保存した。 解析には、ペリオペーパーを取り除き遠心後、Total Exosome Isolationを全液量の半分量入れ、SUPERaseInRNase Inhibitorを追加し、vortex後、1時間4度で静置、その後、遠心しエクソソームの抽出した。 エクソソームの存在を確認するために、ELISA、粒子径測定ならびにエクソソーム観察を実施した。すなわち、エクソソーム表面に存在しているCD9/CD63を検出するためサンドイッチELISA法を、ELSZ-2000を用いて粒子径100nm範囲のピークを観察した。また、transmission electron microscopeにてエクソソームを観察した。 RNAを 3D-Gene RNA extraction reagentを用いて抽出した。3D-Gene キットを用いて、網羅的にmiRNAの発現を解析した。 網羅的解析より、解析した全miRNA 2632個のうち、糖尿病を併発した慢性歯周炎患者で発現が上昇したのは25個のmiRNA、減少したのは23個のmiRNAであった。今後、糖尿病を併発した慢性歯周炎患者特有のmiRNA探索のため、糖尿病患者の血清miRNA関連論文を参考に、これらのmiRNAについて詳細な解析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス蔓延時期と重なり、対象となる被験者の診察控え、ならびに試料採取とコロナ検査が混同する可能性から、試料採取が遅延したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、糖尿病を併発した慢性歯周炎患者特有のmiRNA探索のため、再度サンプルを採取し、網羅的解析によって得られたmiRNAについて詳細な解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の蔓延のため、試料採取時期が大幅に遅れたことが理由である。当初の計画通り、網羅的解析結果を基にqRT-PCRにて特異的miRNAを探索するためにプライマー等試薬購入の予定である。
|