2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation for pathogenesis of jaw deformity focusing on epigenetics: application to new therapeutic strategies
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20K10120
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 朋弘 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (60335619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 悦秀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (00231639) [Withdrawn]
杉山 悟郎 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00722828)
山本 健 久留米大学, 医学部, 教授 (60274528)
高橋 一郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (70241643)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 顎変形症 / 下顎骨 / 咀嚼筋 / エピジェネティクス / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では顎変形症の後天的原因の一つに筋の機能異常があるとの仮説を立て、筋の特性に影響を与える因子として、環境・遺伝子相互作用に関連するエピジェネティックな制御機構に着目し、顎骨の変形に筋関連遺伝子のサイレンシングが関与しているかを明らかにすることが目的である。本研究の対象症例は下顎枝矢状分割術などの下顎骨形成術を行う顎変形症患者および健常者の対照群として、顎骨嚢胞や良性腫瘍などによりCT撮影を行った上で下顎の手術が必要な18歳 - 50歳の患者である。研究の開始とともに患者登録を行いながら形態的分析および手術時の筋組織の採取を開始した。目標症例数は100例としていたが、登録数が未だ少なく、特に対照群の登録ができていない状況である。 下顎非対称を伴う下顎前突症患者27 例(男性 6 例、女性21例)と対照群として11例(男性5例、女性6例)のCT画像から咬筋の厚さと断面積を解析したところ、患者群の咬筋の厚みと断面積に左右差はなかったが、患者群は対照群より厚みは薄かった。したがって、筋の形態的なボリュームに関しては左右差よりも下顎前突あるいは後退等の側方セファロ分析でのskeletal分類が大きく寄与していることが考えられた。 また、「侵襲を伴う観察研究」としてIRBの承認を得ていた「顎変形症における咀嚼筋の分子病理学的検討」(許可番号29-583; 2021年3月まで)を延長申請し新たに許可を得た(許可番号2020-720; 2024年3月まで)。2022年度から2023年度は患者群18名、対照群5名につき咬筋DNAのメチル化について検討を行った。その結果、患者群はコントロール群と比較し約150%のメチル化DNAが検出された。このことから、顎変形症の発症機構にはエピジェネティックな制御機構が関与していることが示唆された。
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