2020 Fiscal Year Research-status Report
多孔質炭酸アパタイト・魚コラーゲン複合体をスキャフォールドとした戦略的骨再生治療
Project/Area Number |
20K10180
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
工藤 景子 徳島大学, 病院, 講師 (70380029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214)
石川 邦夫 九州大学, 歯学研究院, 教授 (90202952)
福田 直志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10804156)
工藤 隆治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10263865)
山村 佳子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (00581406)
栗尾 奈愛 徳島大学, 病院, 講師 (80622141)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 炭酸アパタイト / 魚コラーゲン / スキャフォールド / 異所性骨再生 / 顎骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らが人工合成に成功した炭酸アパタイト(CAP)は、骨置換性を有する新規骨補填材として、既に臨床で使用されているが、「多孔化」やコラーゲンとの複合化による「操作性の向上」などの改良を進めている。本研究では、骨形成に最適な多孔質CAP・魚うろこコラーゲン複合体作製条件を確立することで新規骨再建材料を開発し、最終的には顎骨再建への応用を目指している。 2020年度(初年度)、以下の項目について検討を行い、結果を得ている。 CAP緻密体・魚うろこコラーゲン複合体の作製、理工学的分析、複合体の吸収速度の測定と生体親和性の評価→3%魚うろこコラーゲンに対して、20~40w%のCAP緻密体(顆粒)(顆粒サイズは3タイプ:20~100マイクロメートル、100~30マイクロメートル、300~600マイクロメートル)を混和し、径9mm、高さ1mmのディスク上のCAP緻密体・魚うろこコラーゲン複合体を作成した。(CAP緻密体の含有量を50w%、60w%とした試料も作製したが、材質として硬く、脆い物になったため、却下した。)各資料についてXRD、FTIRによる検索を行ったが、魚うろこコラーゲン有無に関わらず同じ波形の結果を得た。また、複合体をラット背部に埋植して吸収速度を確認したところ、魚うろこコラーゲンのみのサンプルでは2週間で完全吸収されるものの、複合体では2週間後もCAP緻密体が残存していることが分かった。CAP緻密体の顆粒サイズが小さい試料(20~100マイクロメートルおよび100~300マイクロメートル)では、組織学的に著明なリンパ球浸潤を伴う炎症所見の誘発が認められたが、顆粒サイズ300~600マイクロメートルの試料では、肉眼所見、組織所見においても著しい炎症所見も認められず、生体親和性として問題がないことが確認できた。尚、背部皮下への埋植においては骨形成の所見は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、ラット頭蓋骨欠損部へのCAP緻密体・魚うろこコラーゲン複合体埋植も計画していたが、複合体試料作製条件の確立に手間取り、計画が完全遂行できなかった。ただし、2020年度において複合体形成条件は確立したため、2021年度はその条件で作製した試料をラット頭蓋骨欠損部へ埋植し、検討を進めたいと思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に作製方法を確立したCAP緻密体・魚うろこコラーゲン複合体を実験動物(ラット頭蓋骨の骨欠損モデル)に埋植し骨再生の評価を行いたいと考えている。試料埋植4,8,12週後に摘出し、摘出体はマイクロCTや組織切片(HE染色)による評価を行う。さらに、今年度は多孔質CAPとの複合体も作製し、これまでと同じ検討項目で研究を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、ラットの顎骨欠損モデルへの埋植も初年度に計画していたが、実験進行状況の遅れより次年度に持ち越されたこと、またデータ処理用のパソコンも次年度以降への購入へ持ち越しとしたため、物品費の使用額が予定より少なかった。その他、新型コロナウイルスの影響を受け、県外への研究打ち合わせや学会参加が全くなかったため旅費は0円となり、次年度使用額が生じた。 翌年度分として請求した研究費と合わせて、実験用動物の購入ならびにデータ処理用のパソコン購入に使用する予定である。
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