2022 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼筋腱・腱膜過形成症の新規治療法へ向けた基礎研究~“筋内腱”発生機序の探索~
Project/Area Number |
20K10191
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山本 将仁 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90733767)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋内腱 / 咀嚼筋腱腱膜過形成症 |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的) 咀嚼筋腱・腱膜過形成症は,咬筋や側頭筋の腱および腱膜の過形成により開口障害を伴う,新たな概念の疾患である。本疾患の主な病態は骨格筋内の腱の過形成であり,その病因を解明するためには“筋内腱”の発生機序を明らかにする必要がある。しかし,腱研究の主流はアキレス腱などの“筋外腱”であり,“筋内腱”の発生機序は明らかにされていない。そこで本研究では,軟骨形成に必須の転写因子であるSox9が咬筋の“筋内腱”の形成に関与しているかどうかを明らかにするために検索をおこなった。 (方法) 試料として胎生14.5, 16.5, 18.5日齢のC57BL6J, Wnt1Cre;tdTomato, Wnt1Cre;Sox9fl/+, Wnt1CreER;Sox9fl/+, Sox9CreER;tdTomatoマウスを用い、主に組織学的に検索をおこなった。 (結果および考察) 咬筋の“筋内腱”の発生初期にはSxo9が重要な役割を担うが,筋内腱の成長とともにこの転写因子は“筋内腱”の形成においては不要となることが明らかとなった。したがって、Sox9は筋内腱発生の初期にのみ発現することから,咀嚼筋腱腱膜過形成症の発症初期のマーカーになる可能性が示唆された。
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