2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K10244
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森尾 郁子 東京医科歯科大学, 統合国際機構, 教授 (50191010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
關 奈央子 東京医科歯科大学, 統合国際機構, 講師 (10612690)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 批判的思考力 / 歯学教育 / アジア / カリキュラム / 教育目標 / 教育手法 / 教育評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年12月に実施したオンラインでの意見聴取を踏まえ、2021年5月に協定校の教員を対象とした「批判的思考力」に関するオンラインフォーラムに先立って、質問調査票を作成した。質問項目は、以下からなっていた。 1. 回答者の年代、所属機関での担当科目、2.「批判的思考力」育成の重要度とその判断理由、3. 現在の所属機関における「批判的思考力」育成に寄与すると思われる科目の有無、回答者自身の関わり方(担当している科目、評価方法など)、「批判的思考力」育成に関して直面している課題等 2021年7月29日に、協定校の教員に対して上記質問票への回答をメールで呼びかけ、4か国(タイ、ベトナム、英国、カナダ)7名の教員から回答を得た。回答内容分析後、8月17日(ベトナム)、8月20日(タイ)、8月24日(英国)に、オンラインフォーラムを個別に開催した。 いずれの歯学教育機関においても「批判的思考力」は重要で、将来歯科医療従事者として欠かせないソフトスキルであるとの認識が得られた一方で、こうしたソフトスキル育成には、時間がかかり、既に過密な卒前カリキュラムに入れ込むことの難しさや、教員側の意識改革や研修の必要性が示唆された。一時、歯学教育でも問題基盤型学習が盛んに取り入れられた時期があり、「批判的思考力」育成にもつながると考えられたが、現在は既に実施していないと回答した歯科大学もあった。アジアでは「批判的思考力」育成の重要性を認識しつつ、様々な授業形態で実現を目指そうと模索している様子が窺えた。 「批判的思考力」育成を限られたカリキュラム時間内で目指すためには、カリキュラム決定ができる立場の教員が「批判的思考力」育成の重要性を認識する必要があり、そのために共同してワークショップを開催するなどの具体的な対策が必要であることも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19感染拡大の影響が2020年度に引き続き、2021年度も続いており、海外からの研究協力者の招聘ができない状況にあった。その代わりとしてオンラインにより意見交換の場を設けて、意見を集約し、質問調査票の作成、調査実施、およびその結果を受けたオンラインでのフォーラム開催は、対面会議ほどではないとしても、今後の研究につながる成果が得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に実施したオンラインでの意見交換と2021年度に実施した質問票調査およびオンラインによるフォーラムの結果をまとめ、2022年度は歯学教育関連の学会発表あるいは学会誌への投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大の影響で、2021年度も2020年度に引き続き海外からの研究協力者の招聘ができなかった。海外からの入国者制限については常に流動的であり、年度内招聘中止の決断には時間を要した。そのため2020年度からの予算の執行を計画通りに行うことは難しかった。
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