2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔内耐性菌の分布の把握と歯科による口腔衛生管理が医療・介護関連肺炎に及ぼす影響
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20K10248
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉川 峰加 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (00444688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 基行 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, センター長 (10201568)
太田 耕司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20335681)
梶原 俊毅 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (40816948)
吉田 光由 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50284211)
鹿山 鎭男 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 室長 (50432761)
津賀 一弘 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60217289)
大毛 宏喜 広島大学, 病院(医), 教授 (70379874)
小松澤 均 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90253088)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬剤耐性菌 / 要介護高齢者 / 口腔ケア / 誤嚥性肺炎 / 介護医療院 |
Outline of Annual Research Achievements |
広島県内の某介護医療院を半年以上利用している65歳以上で要介護4もしくは5の者のうち,主治医と病棟看護師長により体調が安定しており調査に協力可能と判断された者を対象とした.なお,抗菌剤が過去90日以内に2回以上の者は除外した. これらの要介護高齢者に対し,舌・頬粘膜・口蓋・歯肉・歯面および口腔底を綿棒で拭った後,同試料を薬剤耐性菌選択培地へ撒き,発育したコロニーを対象とした.シングルコロニー化した菌株の薬剤感受性試験を実施した.また,歯科医師1名が口腔内診査を行い,残存歯数の確認とOral Health Assessment Tool (OHAT) を実施した。年齢,性別,Barthel Index,基礎疾患(脳血管疾患、心疾患、認知症),経口摂食状況(経口、非経口)といった臨床情報はカルテから収集した.保菌調査が実施できた者は57名(男性7名,女性50名,87.5±7.8歳)であった.このうち29名(50.9%)(男性5名,女性24名,86.2歳)に薬剤耐性菌選択培地で生育する菌が検出された. 単変量解析では、口腔内に耐性菌を保菌する者とOHATならびに非経口摂取との間に有意な関係があった(P< 0.05).さらに、p< 0.10となった項目を用いてロジスティック回帰分析を行った結果、口腔内に耐性菌を保菌する者と有意な関係があったものは非経口摂取のみであった(P< 0.05). 以上より,長期療養する介護医療院の利用者において口腔内に耐性菌を保有している者が数多く存在しており,非経口摂取が耐性菌保菌のリスクとなることが明らかとなった. 加えて,上記対象者のうち口腔内耐性菌保菌者31名に対して,8週間に渡り,歯科医師・歯科衛生士による週1回の専門的口腔衛生管理を実施する介入調査を実施した.介入直前・介入中間・介入直後の調査が終了している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の流行に伴い,研究協力施設への立ち入りが難しくなり,介入調査の開始が遅れたため.
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Strategy for Future Research Activity |
介入調査の直後調査は全員終了しており,現在は介入後の誤嚥性肺炎の発症についてフォロー調査を実施中である.31名中10名は,1年後のフォローが終わったところである.本年6月,8月と来年2月に残り21名のフォローが終了する予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行に伴い,予定していた国内学会への参加ができなかったことに加えて,感染拡大により介入調査の開始が遅れたため次年度使用額が生じた. 今後は,介入後の誤嚥性肺炎発症に関するフォロー調査を介入群別に4回実施予定である.加えて,結果を日本老年歯科医学会第33回学術大会や日本補綴歯科学会中国・四国支部学術大会等で発表し,論文を作成する予定である.
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Association between stroke lesions and videofluoroscopic findings in acute stroke patients.2021
Author(s)
Nakamori M, Hosomi N, Imamura E, Matsushima H, Maetani Y, Yoshida M, Yoshikawa M, Takeda C, Nagasaki T, Masuda S, Kayashita J, Tsuga K, Tanimoto K, Wakabayashi S, Maruyama H.
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Journal Title
J Neurol
Volume: 268
Pages: 1025-1035
DOI
Peer Reviewed
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