2022 Fiscal Year Annual Research Report
カテキン類の生体内代謝産物による歯周炎抑制機序の解明
Project/Area Number |
20K10281
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
渡辺 清子 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (70148021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平嶺 浩子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (30386841)
佐藤 武則 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40638904)
高橋 俊介 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60206810)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カテキン類 / ポリフェノール / 歯周炎 / 歯周炎発症抑制 / 病原因子発現抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は、20歳代でも約7割が罹患していると言われている国民病であり、安全かつ簡便で有効な予防措置の開発が必要とされる。茶カテキンをはじめとする植物ポリフェノール類は、高い抗酸化作用および抗炎症活性を有しており、歯周炎も慢性炎症性疾患であることから、歯周病予防に対して有効であると考えられるが、その作用機序については不明な点が多い。また、各種ポリフェノールの生体内代謝産物による活性が、歯周病予防に果たす役割についての報告はない。本研究では、耐性菌の出現などリスクのある抗菌薬とは異なり、安全で日常的に摂取する茶カテキン類の歯周炎予防の作用機序について解明することを目的として、研究を行った。供試したポリフェノール類としては、カテキンを含有する鶏血藤、ピクノジェノール、および精製カテキンを使用した。 1.歯周病原細菌に対する発育抑制作用:歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisに対し、鶏血藤、ピクノジェノール、精製カテキンは濃度依存的に発育を抑制した。 2.P. gingivalisの付着・定着性に対して、いずれのサンプルも付着抑制作用およびbiofilm 形成抑制作用を有していた。さらに、本菌の付着、定着に関与する線毛遺伝子の発現およびトリプシン様酵素の遺伝子発現の抑制効果が認められた。また、病原性状の1つと考えられる、口臭物質の産生抑制効果が認められた。 3.鶏血藤およびピクノジェノールには、ラット実験的歯周炎において歯槽骨吸収を抑制することが報告されているが、細胞培養系においても破骨細胞への分化を抑制することが認められた。
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Research Products
(10 results)