2020 Fiscal Year Research-status Report
Constructing a medical humanity curriculum for professional identity formation of medical students
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20K10324
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
横山 彰三 宮崎大学, 医学部, 教授 (60347052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 みゆき 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90550418)
本部 エミ 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 講師 (10755515)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療人文学 / プロフェッショナルアイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は疫病の流行により当初の予定を大きく変更した。主として文献調査を実施した。まず物語的な知と医療における重要性について患者の語る「物語(ナラティブ)」に含まれる複数の声という視点から捉えた。医療におけるNBMはもともとは社会科学領域における社会構成主義(Social Constructivism)の影響を受けて臨床心理や精神医学などで用いられてきた概念であるが、孫大輔氏も言及するようにナラティブ論は医療に対する視点そのものを変容させる可能性を含んでいると言える。さらにアーサー・クラインマンが『病の語り』で述べるように、「患者は彼らの病の経験を-つまり自分自身や重要な他者にとってそれが持つ意味を一個人的な語り(ナラティブ)として整理するのである。病の語り(イルネス・ナラティブ)は、その患者が語り、重要な他者が語り直す物語(ストーリー)であり、患うことに特徴的な出来事や、その長期にわたる経過を首尾一貫したものにする」。しかし、時として患者の物語は一貫したストーリーではないことが多い。それゆえに医師は「有能な証人」(リタ・シャロン)として患者の声に耳を傾け、一緒に意味のある物語を作り上げていく存在としての役割を要請されている。とはいえ医学科1年時で臨床のはおろか専門基礎の入り口にも立たない医学生に「ナラティブ」に耳を傾ける経験を以下にお膳立てするか。その一助としてプレイバックシアターが有効と考えられる。現在、九州地区では唯一、大分でプレイバックシアターのサークルが存在し、現地での活動を調査した。プレイバックシアターは感情エネルギーの循環が促進され、参加者全員の様々な気づきを増進させる手法であると感じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界的な疫病流行の影響により、当初の計画を大幅に変更せざるを得なくなった。特に国内、海外における調査研究が全て中止となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外での出張の絡む調査は、所属大学の方針により殆どが出来ない状態に有り、それは今年度も同様と見込まれる。文献調査やアンケートによる調査など出来ることを前倒し手実施し、さらに研究計画の延長も視野に入れる必要がある。
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Causes of Carryover |
世界的な疫病流行の影響により、当初の計画を大幅に変更せざるを得なくなった。特に国内、海外における調査研究が全て中止となったため。
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