2022 Fiscal Year Research-status Report
災害対策本部で必要なリーダーシップを育成するシミュレーション教育プログラムの開発
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20K10370
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
臼井 いづみ 千葉大学, 大学院看護学研究院, 特任講師 (80595984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 成美 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (80241975)
馬場 由美子 千葉大学, 医学部附属病院, 副看護師長 (80375906) [Withdrawn]
吉富 望 日本大学, 危機管理学部, 教授 (10758098)
山下 博之 日本大学, 危機管理学部, 准教授 (40780507)
酒井 郁子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (10197767)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シミュレーション教育プログラム / リーダーシップ / 災害対策本部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、3年間の研究期間を予定しており、本年度が最終年度であった。当初の計画では、3年間で災害対策本部でのリーダーシップとリーダーシップ行動を明らかにし、それに基づいてシミュレーションシナリオを作成して2年目にβテストを実施するとともに、最終年度に実際にシミュレーションプログラムを実施して評価する予定であった。 ところが、初年度COVID-19のために活動が制限され、情報収集などの活動などがほとんどできなかった。そのため、研究計画を大幅に変更することとなり、文献検討を開始するとともに動画分析の準備を行った。そして、リーダーシップ尺度の検討を行ったが、妥当なものが見つけられず、独自に開発する必要性が明らかとなった。ウェブ会議で研究ミーティングを行い、実際の災害に関連する報告書から、災害対策本部でのリーダーシップ、リーダーシップ行動、連携の実際を明確にすることを優先することとし、2年目は、文献検討に着手した。また、研究分担者らとともに、遠隔で行う状況付与型シミュレーションを実施し、シミュレーションシナリオ開発のための枠組み、実施方法、事前学習の要素などを検討した。他にも、シミュレーションシナリオ作成のための研修会に参加するなどして、新たなシミュレーションシナリオ開発のための準備を行った。 2年目の成果を基に本年度は、自治体職員を対象とするシミュレーション教材の開発に取り組んでいたが、動画作製の協力を依頼していた業者が、経営者の都合で業務を停止するなどしたため、中断することとなり、現在計画が中断している。COVID-19の影響が継続する中で、災害対策本部のシミュレーションのニーズがあるのか等、災害とシミュレーションに精通する有識者の意見を聴取するための意見交換会を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献検討を行い、災害対策本部での連携実践能力に関する尺度を優先して実施する事としていたが、災害対策本部に参集する人材の多様さから保健医療福祉の現場で使用している連携実践能力の尺度の応用が難しく、開発に時間がかかっている。 また、COVID-19の影響は医療系の教育現場でも引き続き大きく、本務のエフォートが大きく研究に多くのエフォートが割けない状況が続いている。そのため、新しいシナリオを開発するのではなく、以前に開発したシナリオを再構築してリーダーシップ、意思決定を目的として改変している。評価のための尺度開発は引き続き行う必要があり、継続して実施していく予定である。また、集合研修が難しい中で、動画を用いてシミュレーションを行う方法を考え、業者と共同で開発を行っていたが、業者が事業を廃止することとなり、教材作成が現在中断している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
有識者との意見交換会では、災害対策本部での意思決定を支援するシミュレーション教育は重要であるとの意見を頂いたので、効果のあるシミュレーションプログラムの開発を急ぐ必要がある。 災害対策本部における連携とリーダーシップに関する尺度開発を継続し、完成を目指す。 リーダーシップ、意思決定を目的としたシミュレーションシナリオを洗練し、災害看護学を学ぶ大学院生を対象としたβテストを実施する予定である。 また、学習教材動画については、別の業者を探す、あるいは業者を入れず、独自に学習動画を作成して、βテストを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度計画していた学術集会への参加、アンケート調査などが実施できなかったため、その経費が支出できず、残額が発生した。延長した研究期間で研究を推進するため、災害関連、シミュレーション関連の国内外での学術集会への参加のための旅費や参加費、学習動画制作のための費用、シミュレーションの実施、研究補助者の雇用、アンケート調査への謝礼などに支出の予定である。
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