2022 Fiscal Year Annual Research Report
多クローナルなVREの地域流行と院内伝播の拡大を解明するための病原体比較解析
Project/Area Number |
20K10442
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
原田 哲也 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (70516723)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バンコマイシン耐性腸球菌 / 線状プラスミド |
Outline of Annual Research Achievements |
代表株であるEnterococcus avium 5株、 E. casseliflavus 2株、E. faecalis 1株、E. faecium 56株、E. gallinarum 1株、E. raffinosus 3株についてS1ヌクレアーゼによるPFGEとvanAプローブを用いたサザンハイブリを実施した。その結果、少なくとも54株については、vanA遺伝子をコードする線状プラスミドの保有が確認された。これらのうちプラスミドの分子量が異なる5株についてプラスミド全長構造の決定を試みたところ、2株は既報のpELF2全長に類似する構造を保有し、残りの3株も一部の構造が類似していた。また、これら5株をレシピエント株としてFilter mating法によるプラスミド接合伝達試験を実施したところ、pELF2全長と類似構造を保有する2株については、10の-2乗程度の頻度で線状プラスミドが伝達された。一方、pELF2と一部のみが類似した3株の伝達効率は10の-2乗から10の-8乗程度であった。 線状プラスミドのスクリーニング法を確立するため、リファレンス配列を参考にヘアピン構造領域の一部をForward primerに設計したPCR法を構築した。E. faecium 代表株56株についてその感度を評価したところ、ショートリードデータを用いたマッピング解析結果と一致し、スクリーニング法としての有用性が確認された。 E. faecium代表株56株のショートリードデータを用いて、コア遺伝子の一塩基多型解析を実施したところ、ST17の16株およびST555の18株はそれぞれ少なくとも2つのクラスターに分かれた。また、STが型別不能であった2株については、両株ともST17と同じクラスターに含まれたことから、これらもclonal complex 17に属することが示唆された。
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Research Products
(1 results)