2022 Fiscal Year Annual Research Report
The determinant of rubella vaccination action among Japanese working population
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20K10467
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀 愛 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00530718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 幸恵 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60580206)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 風疹 / 産業医学 / 職場 / 感染症対策 / 健康診断 / SNS分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
風疹はワクチンで制圧できる感染症であるが、わが国では1962~78 年度生まれの男性に過去一度も風疹ワクチン接種の機会が提供されなかったため、周期的な流行を繰り返している。2019 年に成人男性を対象に風疹定期接種制度が開始され、無料の抗体検査とワクチン接種が提供されているが、制度の利用は低迷している。 本研究では、勤労世代の風疹ワクチン接種割合の向上に寄与する要因を明らかにすることを目的として、公衆衛生学的な実証研究の立場から、3 つの調査を実施した。 ① 職域の健康診断受診者(70万人/年)における風疹抗体検査の実施割合の推移を縦断的に記述した。定期接種制度クーポン券送付直後は一時的に15%に上昇したが、次年度以降は2%未満で推移していた。 ② オンライン質問票調査(1854名)で、個人のワクチン接種行動の関連要因を分析した。風疹免疫の確認(予防接種済歴の確認/抗体検査/あるいは予防接種)を自発的に行った割合は、男性23%、女性39% と、男性で低かった。多変量解析の結果、風疹免疫の確認と有意に関連していた要因は、風疹の基本知識があること、風疹の予防接種や抗体検査を受けた知り合いがいること、インフルエンザ予防接種を受ける習慣があることであった。 ③ ソーシャルネットワークサービス上の情報拡散分析を行った。過去12年間で、風疹という単語を含む情報拡散は、風疹流行曲線とほぼ一致して起きていた。情報源として、行政や医療者、マスメディア、そして患者家族の発信が互いに関連し合って拡散されていた。 本研究の結果、風疹定期接種制度を利用していない層に対して、制度の普及啓発や利便性向上を図る必要があることが示唆された。本研究の成果は、学術誌や学会、研究班ウェブサイトを介して発信した。今後は、風疹ワクチン接種割合を速やかに向上させる介入手法を開発し、社会実装する必要があると考える。
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