2023 Fiscal Year Research-status Report
北タイ越境移民への生活習慣病対策-移民児童を介した健康増進活動の波及効果
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20K10478
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
白山 芳久 順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (30451769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 資之 順天堂大学, 国際教養学部, 教授 (30463748)
岡部 大祐 順天堂大学, 国際教養学部, 講師 (90828261)
アウン ミョーニエン 順天堂大学, 健康総合科学先端研究機構, 特任准教授 (90841990)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 移住 / 生活習慣病 / ヘルスプロモーション / 北タイ |
Outline of Annual Research Achievements |
越境移住者は、移住先の公的保健医療サービスや様々な予防のための介入等を十分に享受できず、生活習慣病(非感染性疾患:NCDs)対策から取り残される傾向にある。本研究の目的は、ミャンマーからタイ北部へ移住した住民を対象に、効果的な予防介入の開発につながる実証研究を行うことである。長引くCOVID-19のパンデミックの影響から、これまでは現地への渡航が制限されてきたが、本年度より現地渡航が可能になった。 本年度は、これまでの現地タイ北部チェンマイ側の共同研究者らと長年研究を継続していきた知見の蓄積等をもとに、これまでの成果を振り返り議論を重ね、収集済みの量的調査の解析等を進めた。結果、国際学術誌に2本の原著論文を発表することができた。 国内の主要学会である日本国際保健医療学会は、「移住者の健康課題」を2023年度のシンポジウムのテーマの一つとして取り上げた。特に、国内在住者の外国にルーツのある方々の健康課題について、実態把握を含めた調査研究が多く実施され始めている。 本課題の研究代表者も、ミャンマーとタイとの間の越境移住とその健康課題について研究に取り組んできた経験から、ベトナムにルーツのある方々の「日本への移住」と健康課題(結核対策を含む)について、「移住者の健康」という大きなテーマの枠の中で取り組むようになった。国内在住のベトナム結核対策の課題に取り組むSangnim Lee氏らの研究グループと協力し、2023年11月に東京大学本郷キャンパスにて開催されたグローバルヘルス4学会合同大会にて発表を1件、また、国際学術誌に原著論文1本を発表することができた。さらに、日系ブラジル人のブラジルの日本への移住COVID-19対策の政策の違いによって移住者にもたらされた影響についての学会報告も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid19の長引く影響により、研究課題の実施期間の最終年度を一年延長することが認められた。2023年度はようやく現地への渡航も可能になったが、最終年度の研究の取りまとめに向けて、現地タイ国チェンマイの連携関係を強化して取り組みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで長く連携関係のあった、チェンマイラチャパット大学に加えて、チェンマイ大学医学部のFamily MedicineやGlobal Health and Chronic Conditions Research Groupとの連携も2023年度から開始した。遅れている研究課題についても、両大学との協力を得て、早期に達成したい。
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Causes of Carryover |
2023年度も、長引くCOVID19の影響で現地で、現地視察・調査の実施が制限されてきたため、研究代表者・共同研究者らの渡航費用・滞在費、現地コーディネーター・調査協力者等への謝金等が次年度に持ち越しすることになった
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