2021 Fiscal Year Research-status Report
Biomakers and genetic factors for the development of atrial fibrillation in a general population: the Hisayama Study
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20K10503
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秦 淳 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00448432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 利治 九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心房細動 / バイオマーカー / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)追跡調査およびデータセットの整備:2021年までに行われた毎年の健診結果および追跡調査の資料を用いて、久山町研究における心房細動の発症に関するデータベースを整備した。 (2)心房細動のバイオマーカー研究:昨年度は、炎症のバイオマーカーである高感度C反応性蛋白(CRP)が心房細動発症の有意な危険因子であることを報告した。今年度はその成績を踏まえて、2002年の健診を受診した住民を10年間追跡した成績を用いて、炎症関連の他のバイオマーカーと心房細動発症との関連について検討した。Lipopolysaccharide binding protein (LBP)はグラム陰性桿菌の内毒素であるlipopolysaccharideに曝露することにより体内で産生される蛋白で、体内の慢性炎症と関連することが知られている。しかしながら、久山町研究の追跡調査の成績では、LBPの血中濃度と心房細動発症との間に有意な関連は認められなかった。また、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン(DHA)はω-3不飽和脂肪酸であり、その炎症抑制作用により循環器疾患を予防する作用がある。これらの脂肪酸とω-6不飽和脂肪酸であるアラキドン酸(AA)の血中濃度比と心房細動発症との関連を検討したが、EPA/AA比、DHA/AA比いずれも明らかな関連はなかった。 (3)脂肪酸と心房細動に関する国際共同研究:ω-3脂肪酸やω-6脂肪酸と循環器疾患との関連を検討する国際共同メタ解析研究FORCEに久山町研究は参加している。FORCEからの依頼を受け、久山町研究における各種脂肪酸と心房細動発症との関連におけるハザード比などの統計量を、FORCE事務局に提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に必要な統計解析用のデータベースを更新することが出来た。 研究課題のテーマの一つであるバイオマーカー研究を推進することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、保存血清を用いて測定した他のバイオマーカーについても、心房細動発症との関連を検討する。 全ゲノムにわたる遺伝子多型データを有する2002年のコホートを用いて、既報の心房細動関連遺伝子が日本人地域住民における心房細動の発症リスクと関連しているかどうかを検証し、リスク予測に有用かどうか評価する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、参加を予定していた学会の多くがオンライン開催となり、健康診断や追跡調査も規模を縮小して実施したため、必要な経費が想定より小さくなった。 次年度使用額は2022年度分の助成金と合わせて使用し、学会参加や論文投稿に関する費用および追跡調査に必要な物品の購入や人件費に充てる予定である。
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