2020 Fiscal Year Research-status Report
The study of gut microbiota associated with ischemic stroke and its functional recovery
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20K10544
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
緒方 利安 福岡大学, 医学部, 准教授 (20609490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
川添 美紀 福岡大学, 医学部, 助教 (30469374)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 教授 (90291822)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、まず福岡大学病院での倫理委員会の手続きを行い、その承諾を得た。その後、便検体採取のための採便容器、採便シート、保存用のビニール袋を、株式会社テクノスルガラボより購入した。同時に、当院脳神経内科の他の医師に研究目的の周知や同意取得のお願いを行い、また看護師には、便検体採取のための採便容器やシートの使い方を説明した。腸内細菌巣のデータ管理・ならびに委託検査への提出などを補助するパートタイム事務員も確保した。さらに、採取した便検体の解析を株式会社生物技研に依頼すべく、秘密保持契約書を交わした。このような準備を踏まえて、2020年10月より、腸内細菌検査用の便検体の収集に着手した。 しかしながら、COVID-19感染症の蔓延の影響か、当院に入院してくる脳梗塞患者が予想よりも少なく、2021年3月までに便検体の収集は約40例にとどまっている。当院はCOVID-19感染患者を多く受け入れている現状から、福岡県で緊急事態宣言が発出された時期などは、COVID-19感染患者の搬送は多い反面、脳梗塞患者の搬送などは明らかに減少傾向である。検体収集が思うように進んでいない現状である。 しかし、その中で集めた便検体を、株式会社生物技研に提出し、検査結果も頂いている。採便容器やシートも追加購入も、株式会社テクノスルガラボより購入した。 脳梗塞の入院患者数が少ない以外は、順調に研究は進んでいると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年3月現在、患者より同意をいただき、便検体を収集できたのは約40例にとどまっている。 脳梗塞を発症して当院に入院する患者が、想定以上に少ない現状にあることが、やや遅れている理由である。当院はCOVID-19感染患者を積極的に受け入れていることから、同様に集中治療が必要となる脳梗塞患者の受け入れが困難となることが、度々起きていることが、背景にあるものと推測する。
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Strategy for Future Research Activity |
当院がCOVID-19患者を積極的に受け入れていくことは、社会的責務として変えられない。脳梗塞を発症して、当院に来院された患者さんを誠心誠意診療しながら、研究への理解を得て、検体の提供をお願いしていくよりないと考える。 令和3年度は引き続き、できるだけ多くの脳梗塞症例の便検体の収集、腸内細菌の同定に努めていく予定である。 令和4年度は前半は引き続き検体収集を行いながら、これに加えてデータベース整備・統合・統計解析を行う。その際は、共同研究者の有馬らが収集している、福岡県在住一般住民の前向きコホート研究に参加している健常者の腸内細菌叢とデータベースを統合する。そして脳梗塞患者と健常者との比較を行った上で、学会などでの結果の公表を予定している。
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Causes of Carryover |
上記のごとく、脳梗塞で当院に入院する患者が想定以上に少なかったことから、腸内細菌検査に計上している費用が少なかったことが原因である。 本年度は、昨年度に引き続き脳梗塞患者の便検体の収集に努めながら、昨年度に計上していたパーソナルコンピューターなどのデータ解析の準備を行っていく。
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