2022 Fiscal Year Annual Research Report
The study of gut microbiota associated with ischemic stroke and its functional recovery
Project/Area Number |
20K10544
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
緒方 利安 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20609490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
川添 美紀 福岡大学, 医学部, 講師 (30469374)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 教授 (90291822)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 腸内細菌 / 動脈硬化 / 社会医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年10月から2021年12月までに、福岡大学病院脳神経内科に急性期脳梗塞の診断で入院した、100名(年齢73.4±11.3歳、男性62人、女性38人)の対象者の便検体から腸内細菌を調べた。以下について検討を行ない、知見を得た。 ①脳梗塞患者におけるBacteroidetes門と動脈硬化リスクの関連性についての検討 上記の脳梗塞患者について、患者背景や動脈硬化リスク、脳梗塞の病型やその既往、入院時神経学的重症度、頚動脈エコー所見の情報を得た。脂質異常症を有する患者では、Bacteroidetes門の割合が有意に低下していた(ありvsなし 38..2%vs43.1%、P=0.019)。頚動脈エコー所見についての検討では、50%以上の狭窄性変化を有する症例でBacteroidetes門の割合が低下する傾向にあった(ありvsなし 39.1%vs42.7%、P=0.086)。脳梗塞患者においては、Bacteroidetes門の減少は脂質異常症や頚動脈狭窄などの動脈硬化疾患と関連することが示された。 ②心房細動を有する脳梗塞患者の腸内細菌の特徴についての検討 上記の患者群において、心房細動の有無ごとに、各腸内細菌の門の割合に違いがあるかについて検討した。結果として、心房細動を有する患者は虚血性心疾患を有する割合が高く(ありvsなし 25.0%vs 7.9%、P=0.035)、また心エコーで測定した左房径が有意に大きかった(ありvsなし 41.8mm vs 35.9mm、P<0.001)。腸内細菌の検討では、Proteobacteria門が心房細動を有する症例で有意に低下していた(ありvsなし 6.1%vs 9.5%、P=0.016)。ROC解析においては、Proteobacteria門のカットオフ値を4.86%で設定することができた(AUC 0.635, P=0.047)。
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