2022 Fiscal Year Annual Research Report
看護学部での放射線健康リスク教育を支援する教材開発とその教育効果の検証
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20K10669
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
塚本 恭正 岩手医科大学, 看護学部, 准教授 (80341725)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護学教育 / 教材開発 / 放射線 / 医療被ばく / 放射線防護 / 多職種連携 / 患者指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現在の看護師養成教育課程において手薄となっている「放射線健康リスク教育」を全国の看護師養成機関が活用可能な教育支援システムとして構築することを目標としてきた。なかでも教育コンテンツ制作が最も重要な項目と考え、研究授業を通してその教育効果や妥当性を検証してきた。本研究の特徴として、不足している放射線医療の専門家の代わりに看護系教員が放射線健康リスク教育を実施するための支援コンテンツ制作であることが挙げられる。以下に研究期間全体を通じて得られた研究成果を記載する。 医療現場で必要とされる放射線看護の知識について「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」の学修目標を踏まえて「放射線健康リスク教育」教材および教育支援資料(指導用マニュアルなど)を制作した。この教育コンテンツは、研究授業を2か年に渡って実施し、教材の妥当性を検証し、改良を施し完成させた。これには学生に配布する授業用資料、放射線医療を専門としない看護系教員が授業を実施する際の教育支援資料、学習成果を測定するための試験問題・解説などが含まれている。1年次では放射線についての基礎知識として「放射線とその単位(種類、性質、半減期、計測など)」と「放射線生物学と医療(放射線防護と安全、人体への影響、医療への応用)」の2コマ、2年次では基礎看護学の一項目として放射線診断に伴う患者及び看護師の医療被ばくを学ぶ「放射線を用いた画像診断検査を正確に行う技術」の1コマ、3年次では放射線治療に伴う障害に対する看護を学ぶ「放射線を用いた治療の基礎知識」の1コマが含まれている。本研究の最終的な目標の一つである「教育コンテンツを広く公開し、利用者の意見をフィードバックできるプラットフォームを構築する」については、webデザインと情報管理といった知識や技術上の課題をクリアしながら完成に向けて現在も研究を遂行し続けている。
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