2022 Fiscal Year Research-status Report
副看護師長を対象としたレジリエンス向上プログラムの開発と活用性の検討
Project/Area Number |
20K10703
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
小林 麻衣 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (60847151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中岡 亜希子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (60353041)
澁谷 幸 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (40379459)
笠松 由利 大手前大学, 国際看護学部, 講師 (50823564)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レジリエンス / 管理者教育 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、副看護師長のレジリエンス向上プログラムを開発し、プログラムを実施・評価することにより活用可能性を明らかにすることである。研究計画は、第1段階「レジリエンス向上プログラムの開発」、第2段階「開発したプログラムの実施・評価、および修正」、第3段階「修正版プログラムの実施、および評価と活用性の検討」で構成しており、2022年度は第2段階の「レジリエンス向上プログラムの実施・評価」に取り組んだ。 プログラムは、研究者らがこれまでに明らかにした副看護師長のレジリエンス4因子構造に基づき、「困難な状況においても物事を柔軟に捉える思考」「客観的な状況認識」「関係する人との良好なコミュニケーション」「物事を上手く進めるための協働する人への働きかけ」を軸にして、第1ステップ(知識の習得)2回、第2ステップ(スキルの習得)3回の計5回で構成した。そして、近畿圏内の一般病院11施設に所属する副看護師長38名を対象に2022年9月~2023年1月の期間でレジリエンス向上プログラムを実施し、31名が全ての研修を受講した。全研修を受講した参加者のプログラム介入前と直後のレジリエンスの変化を分析した結果、特に、困難な状況においても物事を柔軟に捉える思考を高められることが示唆された。一方で、困難に直面した時に客観的に状況を認識して課題を見出し、課題解決に向けて実践していくプロセスについては、研修直後における効果は少なかった。また、参加者自身が捉えたプログラム受講前後の変化を質的に分析したところ、副看護師長は自身に必要とされるレジリエンスの習得につながる変化を認識していることが明らかになった。 今後は、2022年度のプログラム参加者に対してプログラム終了後6ヶ月(2023年7月末)、12ヶ月(2024年1月末)にレジリエンスに関する調査を行い、その結果を分析してプログラムを修正する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究を開始した2020年度より、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で職務が多忙となり、プログラムの開発が遅れた。加えて、本研究は臨床で働く副看護師長を対象としたプログラムであり、新型コロナウイルス感染症が蔓延している状況下での実施は困難であったことから、プログラムの開始時期が予定より遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年のレジリエンス向上プログラムに参加した副看護師長に対してプログラム終了後6ヶ月(2023年7月末)、12ヶ月(2024年1月末)にレジリエンスに関する調査を行い、対象者のレジリエンスの変化を分析するとともに、分析結果を踏まえてプログラムを修正する。そして、2024年度は、修正版のレジリエンス向上プログラムを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響による研究の遅延にともない、研究成果の公表に至らなかったことが、次年度の使用額が生じた理由である。 2023年度は、研究参加者への調査・分析に要する経費、研究成果を報告するための準備、学会参加で予算執行する予定である。
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Research Products
(1 results)