2020 Fiscal Year Research-status Report
がんとの共生社会を共に創る地域拠点型相談教育支援モデルの開発
Project/Area Number |
20K10714
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鳴井 ひろみ 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (10237620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 真理子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (00847577)
伝法谷 明子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (10553315)
金野 将也 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (20757786)
工藤 若子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (20847694)
本間 ともみ 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (90315549)
千葉 武揚 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (90781659)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん治療 / がん患者・家族 / 共生社会 / 地域 / 相談教育支援モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】①がん患者・家族が住み慣れた地域で社会生活を送るための支援ニーズを明らかにする。 ②がんになっても安心して暮らせる地域づくりに対するがん患者・家族の認識を明らかにする。 【方法】①対象者:地域で社会生活を送っており、AYA世代・就労世代・子育て世代・高齢者世代にあるがん患者及び家族にインタビュー調査を実施する。②データ収集方法:個別インタビューまたはグループインタビューを実施し、がん患者・家族が住み慣れた地域で社会生活を送る上での課題および課題解決に向けた支援ニーズについて、また、がんになっても安心して暮らせる地域づくりに対する考えや思いについて語ってもらう。③分析方法:質的帰納的方法で分析する。 【結果】①研究計画に基づき、所属施設および調査協力施設の倫理審査の承認を得て、がん患者・家族へ調査協力の依頼を行い、インタビュー実施に向けて準備を行った。②患者2名、家族2名の個別インタビューを実施した。分析結果(分析途中):がん患者・家族が住み慣れた地域で社会生活を送るための支援ニーズは、患者・家族の望みを拾う場が必要である、地域で生活する中で専門職者に相談する窓口がない、復職と休養のバランスに専門的な助言が欲しい、がんに対する社会のイメージを変える必要がある、家族の仕事や子育てへの支援体制が必要である、ソーシャルサポートの情報発信だけでなくフィードバックし合える機会が必要である、患者同士の気持ちの共有ができる場が必要である等であった。また、がんになっても安心して暮らせる地域づくりに対する認識は、がんに対する正しい知識を普及する、がん情報を取捨選択する力を高める、がん治療後のその先を考える意識を広げる、健康な人が協力しやすい体制づくり、地域で互いに信頼し支え合えるコミュニティづくり、がんを経験して生きることを発信できる機会を広げたい等であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年は研究計画に基づき、所属施設および調査協力施設の倫理審査の承認を得て、インタビュー調査実施に向けて対象者の協力が得られるよう、がん患者・家族へ調査協力の依頼を行った。しかし、新型コロナウイルス感染拡大下において対面による個別インタビューへの協力を得ることが難しく、グループインタビューの実施には至らなかった。そのため、対象者確保に向けてオンラインによる個別インタビューを実施するといった対策を講じたが、計画していた対象人数の確保には至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きがん患者・家族が住み慣れた地域で社会生活を送るための支援ニーズ、がんになっても安心して暮らせる地域づくりに対する認識を明らかにするために、残されたがん患者・家族のインタビュー調査を実施し、分析を行うとともに、令和3年度の計画に基づき、地域住民・地域の多職種を対象としたインタビュー調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) がん患者・家族のインタビューについて、所属施設および調査協力施設の倫理審査の承認を得て、インタビュー調査実施に向けて対象者の協力が得られるよう、調査協力の依頼と実施に向けて準備をすすめた。新型コロナウイルス感染拡大下においては、対面による個別・グループインタビューの実施が難しく、オンラインによる個別インタビューを実施するといった対策を講じたが、計画していた対象人数の確保には至らなかったため、未使用額が生じた。 (使用計画) 今年度は、引き続きがん患者・家族が住み慣れた地域で社会生活を送るための支援ニーズ、がんになっても安心して暮らせる地域づくりに対する認識を明らかにするために、残されたがん患者・家族のインタビュー調査を実施しつつ、令和3年度の計画に基づき、地域住民・地域の多職種を対象としたインタビュー調査を実施することとし、未使用額は、調査実施のための旅費、謝金等の経費に充てることとする。
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