2020 Fiscal Year Research-status Report
精神科看護師への「患者の権利」を守るための教育プログラムの開発
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20K10717
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
戸田 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60325339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 宏公 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (00825531)
山田 浩雅 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60285236)
牛島 佳代 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (10336191)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神看護 / 患者の権利 / 看護倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】精神科看護師による患者の権利を守るための教育プログラム開発を目的に、精神科看護師への実態調査を行うため9名の精神科看護師への面接調査を実施した。【協力者の概要】男性5名、女性4名の計9名、30歳代7名、40歳代1名、50歳代1名、精神科勤務歴平均14.1年、全看護師歴15.8年、患者の権利について全員が基礎教育の中で学んでいた。就職後患者の権利について院内研修を受けた者8名、なし1名、院外研修を受けた者5名、なし4名であった。【結果】「看護師の患者の権利への意識」1.看護師が捉える患者の権利;治療や自由な意思決定、自己決定ができること。医療従事者・医療施設を自由に選択できること。看護場面に患者が主体的に参画すること。プライバシーが守られること。インフォームドコンセント。患者自身が患者の権利を知ること。尊厳を持って対応されること。最善の医療を受けること。電話、通信の制限なし。 2.「患者の権利」を守るための意図的な介入;病棟などの環境が「患者の権利」に影響している。患者・家族が主治医と退院で対立し、主治医の主張で自宅退院を諦める姿は、平等で公平な医療ではない。警察介入の患者の意思を確認し任意入院とする。自傷他害で措置入院の患者が入院の不当性や基本的人権の尊重を訴えて、弁護士と協議したいと希望し暴力の危険があったが電話に付き添う。強制入院の治療が多く拒薬する患者に「あなたには内服を拒否する権利があります」と伝え看護師としての思いも伝える。 3.患者の権利を意識するとき;介入が困難な患者でも前向きに関わるとき。看護側の管理のしやすさや業務の行い易さなどを理由に患者のできることを抑制しているとき。患者の自由や主体性、自律などの機会を奪っていると思うとき。 強制入院など患者の自由を奪う行為に精神科での権利を守ることの困難さがあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者が体調不良のため療養を余儀なくされたことと、学内用務が重なり、第一段階の面接調査のみで、第二段階の質問紙による全国調査は次年度に譲らざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、質問紙による全国調査を実施するための学内の研究倫理審査に書類を提出し、審査中である。倫理審査の承諾があれば、すぐ質問紙による全国調査に取りかかる。その結果を踏まえて、「精神科看護師による患者の権利を守るための教育プログラム」の素案を作成し、専門家会議を開催し洗練化する予定である。
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Causes of Carryover |
質問紙による全国調査が次年度に延びたため。これをもとに次年度は「精神科看護師のための「患者の権利」を守るための教育プログラム」の試案を作成する。
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Research Products
(1 results)