2023 Fiscal Year Annual Research Report
看護師特定行為における解剖体を用いたトレーニングセミナーの構築
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20K10726
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
鈴木 里美 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (90387796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 昌洋 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (00586068)
中野 隆 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30148332) [Withdrawn]
篠田 かおる 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (70329829)
平井 宗一 日本大学, 医学部, 教授 (70516054)
福重 香 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30805023)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 死体解剖セミナー / 専門職間教育 / モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
死体解剖セミナーで多職種連携教育(IPE)を学ぶことの効果を検証した.セミナーは5日間ずつ開催し,同じテーマの3~5人の参加者が協力して提供された1つの死体を解剖した.医学生29名,NP学生12名,看護学生20名が参加し,セミナー前後で専門職間学習尺度(RIPLS)を用いてアンケート調査を実施した.その結果,医学生は,総合スコアと職業の独自性のスコアが,看護学生は合計スコアとチームワークコラボレーション,職業の独自性が大幅に上昇した.NP学生は有意な前後差は認められなかったが,有意な増加は見られ,会話の大切さ,相手を理解することの大切さ,協働の難しさはNP学生のみに見られた.RIPLSでは,全科目においてチームワークと連携,職業の独自性の総合得点がチームワークと連携,職業の独自性の得点に比べて有意に高かった. 連携と専門性が大幅に増加した.コミュニケーションをとり,協力し合うことがチームワークにつながり,他職種の視点を知ることが自分の専門性を考えることに繋がったといえる.医学生は総合点と専門性が,看護学生は総合点とチームワークと連携,専門性が大きく上昇した.反対に,NP学生は全体スコアも下位尺度スコアも有意な増加を示さなかった.NP学生は看護師として5年以上の臨床経験を持ち,実際のチームを経験していたためであると考えられる.医学生は総合得点と専門性が,看護学生は総合得点とチームワークと連携,専門性が大きく上昇した.NP学生が一緒に実施した死体解剖セミナーが,ピアに近い学習をもたらし,医学生と看護学生の多分野連携の学習を強化したことが明らかになった.さらに,内発的動機づけが高まると,IPEとしての学習効果を高めることができる.今回の研究では,RIPLS スコアは解剖プロセス中の協力によって増加した可能性がある.
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