2020 Fiscal Year Research-status Report
前立腺がん治療に伴う性機能障害を支える患者と家族への情報提供ツールの検討
Project/Area Number |
20K10773
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
林 さえ子 人間環境大学, 看護学部, 講師 (40759544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 詳子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60212669)
大石 ふみ子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10276876)
佐藤 一樹 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (60583789)
福田 博美 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90299644)
加藤 亜妃子 人間環境大学, 看護学部, 准教授 (30553234)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前立腺がん治療 / 性機能障害 / 患者の体験 / ケアニーズ / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、前立腺がん治療に伴う性機能障害を支える患者と家族への情報提供ツールを検討することである。 令和2年度は、前立腺がんの初期治療として手術/外照射療法/小線源治療/ホルモン療法の単独治療を受け、性機能障害を体験した患者を対象とし、性機能障害に関する体験とケアニーズについて半構成的面接による調査を実施し、得られたデータを質的内容分析の手法を用いて分析した。 1、対象は38名で、初期治療ごとの対象者数は、手術10名、外照射療法12名、小線源治療5名、ホルモン療法11名であった。初期治療時の平均年齢は小線源治療の患者が60.6歳と最も若く、外照射62.1歳、手術62.4歳、ホルモン療法が最も高齢で75.5歳であった。 2、約27分~100分(平均51.9分、SD17.6)のインタビューから、前立腺がん治療に伴う性機能障害に関する、治療方法選択時・治療直後・治療数年後における、セクシュアリティ3側面(身体・自分らしさ・人間関係)を含む患者の体験が明らかにされた。この体験には、すべての治療方法に共通する体験と治療方法に特有の体験が存在することが示されていた。また、患者は、性機能障害の苦悩を、一人で抱える孤独な体験をしていることが明らかにされた。 本研究で得られた結果について、先行研究からも検討を重ね、前立腺がん治療に伴う性機能障害に関する患者の体験とケアニーズの全体像が示された。 これらについてまとめたものを学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
covid-19感染症拡大に伴い、対面でのインタビューが困難な状況があったが、オンラインや電話でのインタビューに切り替え調査を実施した。また、感染者数の少ない時期・場所においては、感染予防に十分配慮した上で対面でのインタビューを実施することができた。 対象者のご協力に感謝したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、令和2年度の調査で得られた結果を論文化する。また令和3年度の計画を予定通り進める。
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Causes of Carryover |
covid-19感染拡大に伴い、学術集会がオンラインでの開催へ変更・中止となったため、学術集会参加のために計上していた交通費が使用されなかった。また、全国的なリモートワークやリモート授業の推進に伴い、パソコンが品薄となっていたため、令和2年度の研究は既存のパソコンを使用することとし当初計画していたパソコンの購入を見送った。 今後は、令和2年度に実施した研究結果を国際誌に投稿し英文論文投稿に係る費用に充てる。またパソコンの購入を検討する。
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