思春期・若年成人がん経験者の性の問題への支援に関する教育プログラムの開発

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K10793
• Research Institution: Tokyo Health Care University
• Principal Investigator: 富岡 晶子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (90300045)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 丸 光恵 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (50241980)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: AYA世代 / がん / 性 / 支援

Outline of Annual Research Achievements

思春期・若年成人（AYA）世代は進学・就労・結婚・妊娠など様々なライフイベントを迎える時期であり、この時期にがんの治療を受け不妊や性機能の障害を引き起こすことは治療終了後のAYA世代のQOLに大きく影響すると考えられる。本研究は、がん治療により性の問題を抱える思春期・若年成人世代がん患者への支援のあり方やフォローアップ体制を検討し、日常的な支援に携わる医療者が性の問題に対する支援を適切に提供していくための教育プログラムを開発することを目的としている。2021年度は国内外の文献レビューを実施した。その結果、AYA世代がん患者を対象とした調査では、セクシュアリティに関する医療者とのコミュニケーションが不足しており、ニーズが十分満たされていないことが示唆された。看護師を対象とした先行研究では、セクシュアリティの問題に関する支援経験が少なく、プライベートな問題に踏み込むことに躊躇するなど、支援の困難さを抱えていることが明らかとなっている。セクシュアリティの問題については、看護師だけでなくがん診療医、産婦人科医や泌尿器科医、ソーシャルワーカーや心理士、ピアサポートなどさまざまな立場が関わり、これらの問題を把握して適切な支援につなげていくことが必要となる。そのため、AYA世代経験者の支援者のセクシュアリティの問題に関するコミュニケーションを阻害する要因を明らかにし、コミュニケーションの障壁を取り除くための方策を検討することが必要であると考えられた。今後、支援者を対象とした調査を実施し、性に関するコミュニケーションの実態について明らかにしていく予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2020年度に予定していた調査準備が遅れていたため、2021年度の調査実施に至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

これまで実施してきた文献検討をもとに、Web調査及び専門職へのオンラインインタビューを実施する。現在所属施設において倫理審査申請中であり、承認が得られ次第調査を開始する予定である。

Causes of Carryover

2021年度は海外の学術集会参加、専門職へのヒアリングを予定していたが、Covid-19の影響でオンライン開催となったため旅費の使用がなかった。また、調査の実施が遅れたため準備のための予定していた消耗品等の購入がなかった。2022年度の調査において使用する予定である。