2020 Fiscal Year Research-status Report
心的外傷後成長を取り入れた自死遺族支援グループの構築
Project/Area Number |
20K10798
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
櫻井 信人 関西国際大学, 保健医療学部, 准教授 (40405056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雅美 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (50293808)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自死遺族支援 / 自助グループ / アクションリサーチ / ポストベンション / 自殺対策 / 精神看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自死遺族支援において、心的外傷後成長の視点を取り入れたグループ運営を実践し、参加者の変化や効果を明らかにしていくことを目的としている。これまで主に語る場として運営していた自死遺族のつどいに、心的外傷後成長も加えて運営を始めた。 本研究の初年度である2020年度は、研究フィールドの確保および対象者の同意を得ることことから始め、フィールド確保と対象者の同意については概ね計画通りに進めることができた。また、これまで2ヶ月に一回開催していた自死遺族のつどいの開催頻度を月一回に増やし、開催場所の変更もした。さらに語りの場以外にも卒業した方をお招きして、これまでの成長の過程を話していただく機会も設けた。参加者には、当事者同士がつどい、そして語る場という効果以外にも、心的外傷後成長に関連した発言や変化も見られている。現在データを集めている段階であり、次年度も引き続きデータ収集を行いながら、心的外傷後成長に関連した変化を抽出していく。 研究としては計画的に進められていたが、コロナウイルスの影響で当事者が集まる場を控えたほうがよい事態が発生し、緊急事態宣言期間中は開催を中止しなければならなかった。本研究は研究手法としてアクションリサーチを用いている。毎月自死遺族のつどいを開催し、参加者の言動や変化を記述しているため、データ収集が行なえない期間が発生すると、その分研究期間が延びることとなる。2020年度はコロナウイルスの状況を見ながら、感染対策を徹底した上で開催していたが、緊急事態宣言が出された4月5月と2月3月においては、データ収集が行えない期間が生じた。次年度もコロナウイルスの状況を見ながら自死遺族のつどいの運営、およびデータ収集を行なうこととなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は自死遺族を対象としている。研究を実施するにあたっては、対象者の同意やフィールドの確保に困難が予想されるが、本研究においては対象者の同意が得られ、フィールドの確保もできている。研究実施のための土台は構築できているが、2020年度はコロナウイルスの影響でデータ収集ができない期間が4月5月および2月3月に生じ、研究の進捗状況としては遅れている。本研究は研究手法としてアクションリサーチを用いているため、自死遺族のつどいの運営ができない期間が長引くと、データ収集ができなくなる期間が延びることとなり、さらに時間の経過により参加者の変化にも影響が出ることが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き自死遺族のつどいを開催しながら、参加者の言動や変化を記述し、心的外傷後成長について分析をしていく予定である。分析内容はその都度参加者にもフィードバックをしていき、つどいの内容についても参加者の意見を取り入れながら実施していく計画を立てている。一方、コロナウイルスの影響が本研究にも支障を来たしており、データ収集ができない期間が長引く恐れが出ている。実施できる際は感染対策を徹底した上で実施するが、コロナ禍での自死遺族支援について、開催方法や内容も合わせて検討していく必要がある。 次年度は他機関への情報収集も行なえるか検討する。また、ホームページの更新も行ない、活動内容を多くの方に知ってもらえるように努め、新規の参加者が増える方法を参加者と共に考えていく。新たな参加者は研究対象者にはならないが、新たな参加者が入ったことによる既存の参加者の変化や、会としての変化は記述していく。これらの活動内容については、参加者の意見も取り入れながら評価修正を繰り返し、進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
本研究は研究手法としてアクションリサーチを用いているが、コロナウイルスの影響によりデータ収集ができない期間が生じた。その期間は研究を進めることができなかったため、研究費の次年度繰り越しが生じた。今年度実施できなかった分は、次年度に繰り越してデータ収集を進めていく予定である。
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