2022 Fiscal Year Research-status Report
心的外傷後成長を取り入れた自死遺族支援グループの構築
Project/Area Number |
20K10798
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
櫻井 信人 関西国際大学, 保健医療学部, 准教授 (40405056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雅美 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (50293808)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自死遺族 / 自助グループ / アクションリサーチ / ポストベンション / 自殺対策 / 精神看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアクションリサーチの手法を用いて、自死遺族支援グループを発展的に運営していくことを目的としている。自死遺族支援グループの変容過程を可視化し、自死遺族の心的外傷後成長についても考察をした上で、自死遺族の心的外傷後成長に寄与する自死遺族支援グループの構築を目指している。 研究開始時よりCOVID-19の影響を大きく受け、自死遺族支援グループの開催ができないことがあったが、2022年度は計11回開催し、延べ65名の参加があった。COVID-19の影響は続くものの2022年度は8月のみ中止となり、その他の月は開催につなげることができた。 2021年度は参加者とスタッフの力が向上し、グループの進化が認められた。2022年度はその力を維持しながら、活動を進めている状況が確認された。研究対象者となる継続的参加者の参加目的は、語ることからつどうことに変容しており、参加当初の気持ちの揺れ動きや落涙の時間は減少していた。また、新規参加者が来た際は話を傾聴して、自身の体験を語る様子が確認された。これは、参加当初は自身のことを話すことに終始していた参加者が、継続的参加を通して他者の話を聞く側に変容し、支援される側から支援する側へと意識が拡大してきていると捉えられた。これらの研究対象者の様子の変化や参加目的の変化は、自死遺族支援グループの参加を通して体得した心的外傷後成長と考えられた。 本研究を通して、他者を支える視点が芽生えているが、一方で参加者がスタッフになる様子は確認できなかった。新規参加者が加わると、継続的参加者の変容も促進されており、今後の更なる変容が期待される。引き続きアクションリサーチを通して、自死遺族支援グループを発展させ、自死遺族の心的外傷後成長を促していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度はほぼ計画とおり進んだが、前年度まではCOVID-19の影響を受け、自死遺族支援グループ自体が開催できない事態が生じていた。そのため、研究期間全体で見ると進捗はやや遅れている。本研究はアクションリサーチを用いているため、定期的に自死遺族支援グループを開催し、データを収集していく必要がある。また、変容が確認されず停滞する期間が続くこともあるため、自死遺族支援グループの変容を見るには時間をかけた調査が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はCOVID-19の影響が落ち着くことが予想される。そのため、自死遺族支援グループを計画通りに開催し、データ収集を進めることができると考えている。データ収集では、自死遺族支援グループの現状や振り返りを研究対象者と共に実施し、全員で共有をした上で、自死遺族支援グループの今後の方向性について検討を行なう。現時点においても自死遺族支援グループの変容が確認され、自死遺族の心的外傷後成長も見えているが、更なる進化を見出したいと考えており、研究期間をもう一年継続してデータを収集していくことを検討している。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、自死遺族支援グループを開催できない期間が、本研究期間中に生じていた。そのため、データ収集ができず、研究計画どおりに遂行できなかったことから、次年度使用額が生じている。本研究はアクションリサーチを用いており、時間をかけて定期的にデータを収集する必要があるため、研究期間を一年延長することを検討している。
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