2020 Fiscal Year Research-status Report
特定妊婦に対する助産師の継続支援システムの探索的研究
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20K10827
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐々木 美果 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80620062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 康江 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70264843)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特定妊婦 / 助産師 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は,アンケート作成のための文献検討を行った。内容としては,特定妊婦の特徴,対象を抽出するスクリーニング法等について整理をした。 特定妊婦の対象としては,妊娠届け出の遅れがあることやきょうだいへの虐待歴,関係機関からの支援の拒否,母親の被虐待歴や家庭内暴力,望まない妊娠や若年妊娠,未婚,貧困,精神疾患等があげられている。またこれらの背景をもつ母親は,複数のリスク要因を抱えていること,さらにこれらの要因があることは,児の将来へも影響する要因となることがあるため,妊娠中に対象となる妊婦を早期に発見し,介入していく必要性がある。 特定妊婦のスクリーニング法について,現在わが国では統一されたものはみあたらない。しかし各々の医療施設においてチェックリストを使用することで,特定妊婦や要支援妊婦を効率的に抽出でき,分娩前から産後に必要な支援内容を決定することが可能であることが報告されている。そのためチェックリストを使用し,支援がと考えられる対象を妊娠期にスクリーニングして抽出していくことが必要であるといえる。しかし現状では,判断指標がない施設や自治体があることから,施設間による差があることが考えられる。また,看護職が妊婦のリスク要因を抽出していく場合,支援の必要性を見極めるために重視する情報は,看護職の経験年数によって異なることも報告されている。そのため看護職が何からそのリスクに気づくのかという視点を明確にしていくことで,特定妊婦をもれなく抽出していくことにつながると考えられる。 今後は助産師が特定妊婦の可能性がある対象に気づく視点を明らかにし,助産師が特定妊婦を抽出する際の客観的な評価基準の検討をしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症により研究に割く時間の確保が困難となり、研究計画書を倫理委員会へ提出しデータ収集を実施するまで及ぶことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度文献検討を行った結果より研究計画書を作成する。その語倫理審査委員会へ申請し、倫理審査の承認後、調査を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度に予定していた調査が未実施となり、予定していた金額の使用ができなかった。次年度は調査に関する費用を使用していく予定である。
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