2021 Fiscal Year Research-status Report
学校卒業後の在宅重症心身障がい児に適したデイサービスガイドラインの作成
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20K10874
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹村 淳子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (00594269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常国 良美 川崎医療短期大学, 医療介護福祉学科, 助教 (10806805)
泊 祐子 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (60197910)
古株 ひろみ 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (80259390)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 重症心身障がい児 / 放課後デイサービス / 学校卒業後 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学校を卒業した重症心身障がい児が自宅以外で過ごすための場として、学校在籍中から継続して通える放課後デイサービスの在り方を検討している。プログラムを作成するにあたって考慮すべき事項を確認するために、本年度は重症心身障がい児を対象とした放課後デイサービスの現状について文献研究を行い、障がいの特性に適したデイサービスの課題と工夫を明らかにした。 その結果、放課後デイサービスの利用にあたっては2つの課題があることがわかった。1つ目は【重症児に適したサービスの課題】であり、障がいの特性を理解した人材が必要である。2つ目は【経営上の課題】であり、現在の加算点数と実際に必要となる知識や技術とが合っていないこと、また重症心身障がい児は体調が不安定で欠席率が高いため採算が取れないということであった。 重症心身障がい児を受け入れている放課後デイサービスの工夫点は3つであった。1つ目は【障がい特性に配慮したサービス提供】であり、医療的ケアをはじめとする日常生活介助を個に合わせて行っている、細心の注意を払う必要のある体調管理をするための設備や人手の確保であった。2つ目は【ソーシャルスキルの維持・獲得】であり、外出が難しい重症心身障がい児をできるだけ外に連れ出して地域と交流を図る生活圏内での活動を行っていた。3つ目は【関係者との連携】であった。関係者とは保護者・学校関係者・医療関係者であり、交流会や緊急時の対応についての確認を行っていた。 これらから、重症心身障がい児を受け入れたデイサービスでは、障がい特性を熟知した人材の配置が欠かせず、体調の管理が最も優先される項目であると推察できた。一方で、経営上の課題は大きく事業者への支援が必要であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
学校卒業後の重症心身障がい児を受け入れている放課後デイサービスあるいは生活介護の施設事業者に、体調管理を行いながらどのような過ごし方をしているのかを参加観察を交えた面接を考えているが、現在、事業者の仕事が大変忙しいという点や感染対策上の問題により面接者の確保が難しい状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
学校卒業後の重症心身障がい児を受け入れている放課後デイサービスまたは生活介護事業者への面接を依頼し、文献で明らかになった体調管理の方法や設備面等の環境面、経営上の工夫について調査を行う。covid-19感染対策について配慮しつつ移動距離の短い事業所へアプローチしていく。
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Causes of Carryover |
学会開催が対面でなく、予定していた旅費が使用できなかったことと、面接等の研究に遅れが生じたため。次年度は、学会への参加を予定し、面接を行って研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)