2021 Fiscal Year Research-status Report
新たな孫を迎える祖父母の家族役割機能を高める学習プログラム開発
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20K10896
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
礒山 あけみ 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (00586183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣川 さえ子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (90538927)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 祖父母 / 家族役割機能 / 学習プログラム / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新たな孫を迎える祖父母の家族役割機能を高める学習プログラムを開発することが目的である。今年度は、学習プログラムの内容や方法を検討するために、祖父母の役割機能、生きがい、健康について、インターネットによるアンケート調査を計画し、47都道府県の孫を持つ40代~80代の祖父母2000名、就学前の子をもつ親夫婦1000名に調査を実施した。 結果、祖父母2000名を対象とした因子分析の結果、祖父母の役割機能は、【孫の日常的な世話・ヘルスケア】【親夫婦の情緒的支援】【孫の人格形成】【自身の健康調和】の4因子13項目が抽出され、祖父母の役割機能が明らかになった。祖父母の孫育児の現状及び健康状態、生きがい意識の傾向が明らかになった。就学前の孫を持つ祖父母の孫育児の加担度と負担感は相関がなく、生きがい意識に関連していた。孫育児に加担しており、負担感がない群は「生活・人生に対する楽天的・肯定的感情」と「未来への積極的・肯定的態度」を持ちやすい傾向を示した。一方、加担度が低く負担を感じている群は「社会との関係における自己の存在の意味の肯定的認識」を有する傾向が示された。一方、孫育児と健康の関連は、孫育児は祖父母の身体的、精神的健康に影響していることが示され、健やかな家族形成のためには、祖父母の孫育児に対する意向を確認し、調整することが必要であることが示唆された。 親夫婦の調査については現在分析中である。これらの調査で明らかになった祖父母の役割機能、孫育児の現状及びニーズは、計画している祖父母の家族役割機能を高める学習プログラムの内容や方法に活用していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において、新たな孫を迎える祖父母の家族役割機能を高める学習プログラム開発のために、新たに孫を迎える祖父母(初産婦の娘・嫁を持つ)対してインタビューを行い、祖父母の家族役割機能を明確する計画であったが、COVID-19の影響で、リクルートおよびインタビューの計画が順調に進まなかった。よって、学習プログラムの内容や方法も検討が困難であった。今後の計画では、COVID-19による対面でのインタビューが困難な場合、オンラインを活用したリクルートおよびインタビューを計画していく予定である。また、学習プログラムの開発については、現在、インターネット調査結果及び先行研究により、その内容や方法を検討している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、祖父母の家族機能の発揮が祖父母自身の健康感や生きがいに及ぼす影響について調査した結果をもとに、孫を持つ男女を対象にインタビューを行い、さらに祖父母の家族機能を明確化する予定である。これらの結果から、新たな孫を迎える祖父母の家族役割機能を高める学習プログラムを開発する計画である。具体的には①学習プログラムの目的・目標の設定およびログラム内容・方法の検討、②用いる教材および媒体の検討、③プログラム効果を測定する用具の検討を行い、プログラムの効果を検証する予定である。プログラムの介入のリクルートは、調査研究コンサルタントを活用して実施してく計画である。
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Causes of Carryover |
本研究では、対象者へのインタビュー謝礼および学習プログラムで用いるアプリケーションソフトを作製する予定であった。そのため費用を計上したが、COVID-19の影響によりアンケート調査に終わり、インタビューの延期、ソフト開発に至らなかった。研究代表者と分担者及び研究協力をいただく助産学・教育学・高齢者福祉の専門家と入念な打ち合わせが必要であるため、旅費を計上したが、COVID-19の影響でオンライン会議の開催であったことから使用額が大幅に異なった。次年度はインタビューおよび学習プログラムを開発することからその費用に利用する予定である。
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Research Products
(3 results)