2022 Fiscal Year Research-status Report
新たな孫を迎える祖父母の家族役割機能を高める学習プログラム開発
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20K10896
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
礒山 あけみ 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (00586183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣川 さえ子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (90538927)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 祖父母 / 家族機能 / 学習プログラム / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新たな孫を迎える祖父母の家族機能を高める学習プログラムを開発することである。これまで新たな孫を迎える母親の支援者として捉えられていた祖父母を主体者として捉えなおし、祖父母の家族機能を高める学習プログラムを実施し、2群間を比較する実験デザインである。具体的な研究項目は、1)新たな孫を迎える祖父母の家族機能の明確化、2)明確化した祖父母の家族機能を学習内容とし、学習プログラムの開発、3)開発した学習プログラムの検証である。本研究は祖父母を育児の「支援者」と捉えるのではなく、祖父母としての役割を発揮する「主体」と捉えた学習プログラムを開発する。今年度は、令和3年度に実施した乳幼児の孫を持つ祖父母2000名の健康関連QOLと影響要因の分析及び子供の親世代1000名を対象として祖父母による孫育児への加担状況に関する認識を調査した結果を分析した。それらの結果を踏まえ、祖父母のための学習プログラムを考案および研究プロトコールを検討した。 乳幼児の孫を持つ祖父母の家族機能は、【孫の日常的な世話・ヘルスケア】【親夫婦の情緒的支援】【孫の人格形成】【自身の健康調和】の4因子であった。祖父母の健康関連QOL(SF-8)は標準以上の健康状態であった。身体的サマリースコア(PCS)および精神的サマリースコア(MCS)の結果より、祖父母にとり孫育児が身体的・精神的健康に影響していた。一方、親世代の半数は、子どもを預かってもらう、育児の相談に応じてもらっている、祖父母とは気兼ねなく何でも言える、関わってもらい助かる、依頼したら育児に加担してほしい、と認識していることが明らかになった。これら孫育児への関与に関連する祖父母および子供の親世代の認識の結果を踏まえ、祖父母のための学習プログラムを考案および研究プロトコールを検討した。現在、学習プログラムの媒体を作成、リクルート方法の調整中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目的は新たな孫を迎える祖父母の家族役割機能を高める学習プログラムを開発することが目的である。今年度は、令和3年度に実施した乳幼児の孫を持つ祖父母2000名の健康関連QOLと影響要因の分析及び子供の親世代1000名を対象として祖父母による孫育児への加担状況に関する認識を調査した結果を分析した。それらの結果を踏まえ、祖父母のための学習プログラムを考案および研究プロトコールを検討した。 乳幼児の孫を持つ祖父母の健康関連QOL(SF-8)は標準以上と良好な健康状態であった。身体的サマリースコア(PCS)は、男性、孫育児への加担と負担感が少ない群の得点が高かった。精神的サマリースコア(MCS)は、男性、年齢、孫を預かることに負担がない群が高く、日常的な世話・ヘルスケア、孫の人格形成に関与なし群の得点が高かった。よって祖父母にとって孫育児が明らかに身体的・精神的健康に影響していることが示唆された。祖父母が孫育児における家族機能を発揮する上では、祖父母と親世代の相互の育児に関する役割調整が必要であることが示された。 祖父母による孫育児への加担に関する子供の親世代の認識の結果、祖父母の孫育児の加担内容は、子どもを預かってもらう、育児の相談に応じてもらうが半数以上であり、同居群は非同居に比べ孫育児に加担していた。半数近くの親世代は、祖父母とは気兼ねなく何でも言える関係であり、関わってもらい助かる、依頼したら育児に加担してほしい、と認識していた。一方、育児の考え方の違いにより相談しにくく、なんでも言える関係とは言えない親世代も存在した。 これら孫育児への関与に関連する祖父母および子供の親世代の認識の結果を踏まえ、祖父母のための学習プログラムを考案および研究プロトコールを検討した。現在、学習プログラムの媒体を作成、リクルート方法の調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において、新たな孫を迎える祖父母の家族機能を高める学習プログラム開発のために、新たに孫を迎える祖父母へのインタビューを行い、祖父母の家族役割機能を明確する計画であったが、COVID-19の影響で、リクルートおよびインタビューの計画が順調に進まなかった。そのため、祖父母の家族機能については、2000名を対象とした因子分析による家族機能として明らかになった、【孫の日常的な世話・ヘルスケア】【親夫婦の情緒的支援】【孫の人格形成】【自身の健康調和】の4因子13項目(各因子のcronbach’s α、0.78~0.86)の結果により、学習プログラム内容の検討が可能と考え検討を進めた。学習プログラムは、インストラクショナルデザインをプログラム開発の理論上のエビデンスとして設定した。今年度は学習プログラムを開発し、介入群と対象群の2群を設定し効果を測定する計画であったが、学習プログラムの目的および目標、学習内容及び方法、プログラムを測定する用具の検討に留まった。今後は学習プログラムに用いる媒体の最終決定を行い、倫理審査承認後、リクルートは調査研究コンサルタントを活用して実施していく計画である。
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Causes of Carryover |
研究代表者と分担者及び研究協力をいただく助産学・教育学・高齢者福祉の専門家と入念な打ち合わせが必要であるため、旅費を計上したが、COVID-19の影響でオンライン会議の開催であったことから使用額が大幅に異なったため、次年度の使用が生じた。学習プログラムで用いる媒体を作成するための費用に用いられる。また、開発したプログラムの検証のための調査研究コンサルタントを依頼するための費用および調査協力者への謝礼が必要であることから費用に計上した。
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Research Products
(2 results)