2020 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全患者・家族のアドバンス・ケア・プランニング支援ガイドラインの開発
Project/Area Number |
20K10915
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
長戸 和子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (30210107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 理子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60305810)
源田 美香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (60849826)
神家 ひとみ 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80849787)
中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家族看護 / アドバンス・ケア・プランニング / 慢性心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、家族の合意形成を基盤として、慢性心不全患者・家族のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)支援のためのガイドライン開発を目的としている。ACPにおいて、家族は、本人の意思確認ができない場合にその意思を推定する存在として位置づけられている。しかし、家族看護の立場では、家族員は相互作用の中で患者の意向に影響を与え得る存在としてとらえ、家族として人生の最終段階における医療・ケアの選択に関して合意を形成していけるよう支援することが重要であると考える。一つの家族であっても、個々の家族員の病気に対する認識や価値観、健康観や死生観は異なるため、ACPを進めていく上で常に家族の意向が一致するとは限らない。家族内の意見の相違があることを前提として、意見の相違を含みながらも一つの状況の中で、あるいは一時的なものとして家族が一つの意見にまとまること、すなわち合意形成を図りながらACPを進めていくための支援を開発することを目指している。 本年度は、慢性心不全患者・家族のACP支援で看護者が用いている方略を明らかにするために、心不全患者のケアに従事し、ACPにかかわった経験を有する看護師、医師を対象とした面接調査の実施に向けた準備を行った。研究メンバー間でACPの基本的な考え方、ACPにおける現状と課題、特に心不全患者の特徴をふまえた現状と課題などについて理解を深めた。また、研究代表者らが先行研究で作成した「家族の合意形成を支えるケアガイドライン」で示されている家族への支援内容と、ACPにおける支援内容について、類似点・共通点と相違点を検討した。これらをふまえて、心不全患者のケアに従事し、ACPにかかわった経験を有する看護師、医師を対象とした面接調査のためのインタビューガイドを作成し、学内の倫理審査受審の申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、COVID-19の影響を大きく受け、研究計画を進めることができなかった。公務においては、教務部長として随時COVID-19への対応を求められたこと、また研究分担者も同様の状況にあり、個人としても研究グループとしても研究に取り組む時間を確保することが難しかった。また、面接調査の対象として研究協力を打診していた施設もいくつかあったが、COVID-19の拡大により、具体的に依頼を進めることができない状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年5月~11月:心不全患者のケアに従事しACPにかかわった経験を有する看護師・医師計10名程度の面接調査を実施する(WEB会議システム利用もしくは対面)。この面接調査により、心不全患者・家族のACP支援において看護者が用いている方略、支援における困難性を抽出する。 令和3年12月~令和4年3月:ACPを実施した患者・家族、心不全患者とその家族でACPに関心がある者10名程度への面接調査を行い、これらの患者・家族のACPに関するニーズ、必要かつ有用な支援を明らかにする。これらの結果をもとに、ACP支援が必要な心不全患者・家族のモデルケースを作成する。 令和4年4月~9月:作成したモデルケースを用いて、これらの患者・家族のACPに複数回かかわった経験のあるエキスパートナースの支援内容をグループインタビュー法を用いて明らかにする。 令和4年10月~令和5年3月:これまでの結果をふまえてガイドライン案の作成と洗練化を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、研究計画全体が遅れ、本年度予定していた面接調査が実施できなかったことにより、次年度使用額が生じた。令和3年度も同様の状況が続くと考えられるため、WEB会議システムを用いた面接調査を実施できるよう、機材等の準備等に使用する。
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