2022 Fiscal Year Research-status Report
周産期の抑うつに影響を及ぼす要因:夫婦のコミュニケーションスタイルとの関連
Project/Area Number |
20K10928
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
田出 美紀 帝京大学, 福岡医療技術学部, 准教授 (80526997)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸隈 誠一 九州大学, 医学研究院, 教授 (50380639)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 産後うつ病 / 夫婦関係 / コミュニケーションスタイル / アサーティブネス / エジンバラ産後うつ病評価票 |
Outline of Annual Research Achievements |
産後うつ病は男女とも15%前後に発症するといわれ、産後1か月の抑うつ評価による予防的支援が効果を上げてきている。抑うつのリスク因子の一つに夫婦関係の親密性や満足度の低さが報告されており、その夫婦の満足度は言語的コミュニケーションが強く影響しているという報告もあるが、どのような言語的コミュニケーションスタイルが影響しているのかは明確でない。また、男性の抑うつの検討は女性と比べ不十分である。よってこの研究の目的は、夫婦のコミュニケーションスタイルの相互作用や時期別の変化が夫婦の関係性と周産期の抑うつに影響するかを検証し、併せて夫婦の産後の抑うつの予測因子を抽出することにあ る。 2020年8月より一次医療機関2施設において、研究対象となる妊娠30~36週の妊婦に対し、妊娠期から産後1か月まで縦断的にアンケート調査を開始した。回収は郵送回収法並びに留め置き法で行った。同時に基本属性並びに先行研究から得た周産期の抑うつのリスク因子を診療録より抽出中である。ただし、現在は新型コロナウイルス感染症蔓延のため実施地域の感染者数がなかなか減少せず、妊婦の感染リスクを考え、一時的に調査を中断している。 現在までに妊婦228名に研究説明を行い、他院分娩となった2組などを除き、52組の同意を得ている。妊娠中の回答は52組とも得られ、産後1か月のデータは、29組の回答が得られている。 今後は新型コロナウイルス感染症の感染状況を見極めながら、調査を再開する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、調査地域の感染者数が依然減少せず、感染防止のために調査の中断が余儀なくされたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の罹患者の状況をみて調査を再開する。当初妊娠中から産後3か月までに3回の調査を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延により妊娠・出産・育児における夫婦のストレスは高まっていることが推察され、対象夫婦の負担の軽減を図るために産後3か月時の調査は中止する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、予定していた学会参加が取りやめとなり、旅費等の支出がなくなった。感染対策により、研究施設および調査施設に外部者の出入りの制限がかかり、アンケート結果や診療録の入力作業等は、研究者が行ったため、人件費や謝金の支出がなかった。 次年度も感染防止対策などの継続は必須となるため、アルバイトの雇用は難しい可能性があるが、その分感染防止対策に必要な物品の購入が必要となる。 今年度は外出制限の緩和もなされてきているため、学会等に参加し新たな知見や情報収集を行う。また可能となれば調査に出向き、アンケート調査の郵送費やデータ分析、論文作成にかかる費用が必要となるため、これに使用する計画である。
|