2021 Fiscal Year Research-status Report
モンゴル国一次・二次医療機関の公衆衛生看護技術の向上とサポートシステム構築の試み
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20K10973
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
武澤 千尋 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (50410204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 憲志 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70299329)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モンゴル / 公衆衛生活動 / 多職種 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度(研究2年目)は、看護師を含む公衆衛生活動推進チームとのディスカッションを重ね、「優先的に取り組むべき公衆衛生活動のテーマ抽出」及び「公衆衛生活動支援システムの土台づくり」を行った。 優先的に取り組むべき公衆衛生活動のテーマについては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で停滞している公衆衛生活動として、子どもの口腔衛生及び、高齢者の体力維持が抽出された。実際に、5-6歳の子どものむし歯有病率が85%を超えているにも関わらず、予防教育を受ける機会が少ない。また感染対策で外出を自粛した影響で、高齢者の体力低下が認められているため、この2点は緊急性の高い課題である。まず、口腔衛生は日本人歯科医師の協力を得て、オンラインで国際歯科保健セミナーを開催した。この講演をきかっけに、口腔衛生に関するモンゴル人公衆衛生関係者の関心を確認することができ、子どもの口腔衛生指導の教材を作成する学習会につながった。高齢者の体力維持は、公衆衛生活動推進チームの日常業務において使用する教材不足があることに加え、専門職として対象の状況に応じた助言をするための技術も不十分であることが挙げられたため、現状を踏まえ、あらたな教材作成に取り組んでいる。 公衆衛生活動の支援システムについては、研究協力者のみが参加するオンラインの非公開グループをつくり、自身が作成した教材、公衆衛生活動の報告、意見交換の場としての試行を開始した。 以上を踏まえ、2022年度(研究3年目)は、公衆衛生活動推進チームにより公衆衛生活動の評価と、リモート型活動支援の実用性と発展可能性を考察する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度(研究2年目)は、2020年度に続いて新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が続いた。保健医療従事者の多忙が続き、定期的なオンラインミーティングの設定や海外渡航は困難であり、計画通りに進んでいない。 しかし、幸いなことに公衆衛生活動推進チームからの協力は継続して得られている。このチームメンバーは多職種多機関に所属しており、多職種間で共通理解と合意を得るために、より多くの時間を確保したいところであるが、時間不足が生じている。合意を得た場合も、各自の職場などで賛同者を増やしたり、積極的に活動するなどの余裕がない状況と見受けられた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度(研究3年目)は、公衆衛生活動推進チームによる公衆衛生活動の評価と、リモート型活動支援の方法を考察する計画である。 まず、公衆衛生活動推進チームによる公衆衛生活動は、ディスカッション内容、作成・活用教材、活動報告をまとめる。また、現在使用中の子どもの口腔衛生教材の修正と高齢者の体力低下防止の教材を完成させ、多職種で試用する。次に、リモート型活動支援は、投稿内容と反応を分析することとする。 以上により、多職種からなる公衆衛生活動推進チームによる公衆衛生活動の評価とリモート型公衆衛生活動支援システムの実用性と発展可能性を考察する。
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Causes of Carryover |
今年度は、モンゴル国への渡航ができなかったため、経費を節約できた。現在、作成中の公衆衛生活動の教材作成費用として活用する計画である。
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