2023 Fiscal Year Annual Research Report
進行した若年性認知症者と家族の意思決定支援モデルの開発
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20K10974
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
梅崎 かおり 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (60737005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸井 和佳 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (30453658)
山川 みやえ 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80403012)
柴 珠実 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (60382397)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 若年性アルツハイマー型認知症 / 確定診断 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は若年性アルツハイマー型認知症と確定診断された人の診断後の思いについて縦断的に明らかにすることを目的としている。 そのため研究デザインには半構造化インタビューによる質的研究とした。すでにアミロイドPETにて確定診断を受けている若年性アルツハイマー型認知症の人で主治医がインタビュー可能と判断した10名を対象とした。すべてのインタビューは、1人のインタビュアーによって、3~6か月の期間をおいて複数回行われた。収集したデータは、2回目までのインタビュー内容をExperiencing Young-Onset Alzheimer’s Disease: A Study of Patient Perspectives Following Diagnosisとし内容析のプロセスに従って分析した。 対象者は年齢52-66歳、男性9名であり、初回インタビュー直前のMMSE は16~26点(20.5±3.27)であった。分析の結果以下の5つの【メインカテゴリ】が抽出された。【Perceiving normalcy and absence of sickness】【Feeling life as a roller coaster future outlook】【Sustaining active social involvement and contribution】【Seeking empathetic persons and friendly services for engagement 】【Maintaining hope for a continuation of normal life】 本研究から得られた重要な知見は、若年発症アルツハイマー型認知症と診断された人が、診断前の状態に近いライフスタイルを維持しようと積極的に努力し、社会的役割の追求と社会的つながりの維持を示していることを明確にしている。認知症と診断されたことは否定的な感情をもたらしたが、社会の中で生き続けようとする決意は強く保たれていた。これらの結果は、彼らの努力を認め、支援することの重要性を示唆し、早期介入と適応可能な支援メカニズムの重要性を強調している。 2023年度はこの内容を海外雑誌にて発表すべく投稿準備を行った。
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