2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者施設職員のケアの質向上のためのレジリエンストレーニングプログラムの開発
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20K11011
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
久木原 博子 福岡大学, 医学部, 教授 (50268950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 裕美 福岡大学, 医学部, 教授 (00301359)
安藤 満代 第一薬科大学, 看護学部, 教授 (10284457)
西尾 美登里 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (20761472)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レジリエンストレーニング / 高齢者施設職員 / ストレス / バーンアウト / ヨーガ / マインドフルネス瞑想 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度,我々は肯定的感情とレジリエンスは正の相関を示すという多くの研究結果とレジリエンスを後天的に高める(向上させる)ことが可能であるという先行研究を踏まえ,高齢者施設職員のストレス低減のためのレジリエンストレーニングの有効性を実証するために,高齢者介護施設職員を対象にヨーガとマインドフルネス瞑想をレジリエンストレーニングとして採用した.ヨーガ群とマインドフルネス瞑想群とコントロール群を無作為に3群に分け,効果を比較した.効果の指標には, Maslach Burnout Inventory : MBIを基に開発された日本語版バーンアウト尺度とConnor-Davidson Resilience Scale日本語版を用いた.また,生理的指標として唾液中のα-アミラーゼ値(NIPRO:T-110-N)を測定した.ヨーガ群とマインドフルネス瞑想群の介入には,それぞれ資格をもつインストラクターが毎週60分1回のセッションを6週間実施した.途中,13名がドロップアウトしたため最終的に47名のデータを分析した.その結果,レジリエンストレーニング後,日本語版バーンアウト尺度の下位項目である情緒的消耗感,達成度の後退がそれぞれ有意に低下していた(F [2, 39] = 4.57, p = .008,F [2, 39] = 3.52, p < .02).また,ストレスの生理的指標として用いた唾液中のα-アミラーゼ値は介入前時点では3群間に有意差はなかった(F [8, 76] = 0.77, p = ns) が,介入後は有意に低下していた (F [2, 39] = 6.95, p = .002).すなわち,今回のレジリエンストレーニングプログラムは高齢者施設職員のストレスの低減に一定の効果があったと言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究1を早めに開始することができたため,COVID-19の影響を受けることなく研究1は終了した.現在,その結果を論文にまとめて投稿している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度予定している研究2は,COVID-19の感染拡大による緊急事態宣言により,介入方法の変更を余儀なくされている.当初予定していた介入はヨーガとマインドフルネス瞑想のインストイラクターによる直接介入であったが,COVID-19感染防止対策のためオンラインでの介入に変更する.そのため,今年度はレジリエンストレーニングDVDの作成や動画配信の準備が整い次第,研究2を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
今年度,睡眠の評価までは実施できなかった.次年度,睡眠の評価に,Pittsburgh sleep quality index (PSQI)と腕時計型小型高感度加速度センサー アクチグラフを使用する予定であるため,これらの購入に経費をあてる.また,研究参加者への謝礼,データ収集のためのアルバイトやインストラクターの人件費に充てる.
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