2023 Fiscal Year Research-status Report
高齢者施設職員のケアの質向上のためのレジリエンストレーニングプログラムの開発
Project/Area Number |
20K11011
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
久木原 博子 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (50268950)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 裕美 福岡大学, 医学部, 教授 (00301359)
安藤 満代 西九州大学, 子ども学部, 教授 (10284457)
西尾 美登里 西九州大学, 看護学部, 准教授 (20761472)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | レジリエンス・トレーニング / 高齢者施設ケア職員 / ストレス / 睡眠 / ケアの質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、A県の高齢者施設20か所で働くケア職員556名を対象に、不眠重症度質問票(ISI)、精神的健康度(WHO-5)、レジリエンス(CD-RISC-10)、ケアの質、そして不適切なケアを予防する職員の特性等から構成したアンケートを実施した。421票(回収率77.3%、有効回答率98%)を分析した結果、不眠群(不眠重症度の高い人)は不眠なし群に比べて有意に精神的健康度やレジリエンスが低かった。また、不適切なケアを予防する職員の特性得点は不眠群が不眠なし群より低かった。ケアの質の下位尺度の「乱暴な介護」において、不眠群が不眠なし群に比べて優位に高い得点(得点の高いほうがそれらの行為が多いこと示す)を示した。この結果は、第43回日本看護科学学会学術集会(2024.12.10)で発表した。さらに、論文としてまとめてJournal of Rural Medicineに投稿した。 2番目の研究は、ウェブベースのマインドフルネス・ヨガ・トレーニングを高齢者施設の職員27名に1日20分間2週間実施してもらい、トレーニングの効果を実施した期間と実施していない期間と比較した。この研究で使用した評価尺度は、ストレスチェックリストKM(SCL-KM)、不眠重症度質問票(ISI)、介護に対する職員の態度尺度等であった。また、マイクロタグ活動量計で睡眠の状況を客観的に評価した。その結果、ISI値は実践していない期間に比べて実践している期間が良好であった。また、マイクロタグ活動量計の分析から、トレーニングによって睡眠時間が有意に延長し、睡眠効率が有意に良くなった。ヨガ実施期間中の高齢者に対する職員のケアの態度も有意に改善した。この結果はINC2023 - The 14th International Nursing Conference(2024.11.2)で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度計画していた2つの研究のデータ取得、分析が終了し、その結果を学会で報告した。また、第1の研究は論文にまとめて国際誌に投稿した。第2の研究の論文も現在ほぼ書き終え、2024年度に国際学会誌に投稿を予定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
第1の研究、第2の研究が予定通り終了し、どちらも学会で報告した。2024年度は第2の研究を国際学会誌に投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
2023年に予定していた学会での発表を国内の学会にしたため費用が抑えられた。また、投稿した英文誌が学会員の投稿費用が無料であったため、投稿費用予算が抑えられた。しかし、2024年度に第2の研究を国際学会誌に投稿する予定であり、ネイティブチェック料や論文投稿のための費用が発生する可能性があるため、次年度に費用が必要である。また、レジリエンス・トレーニングのプログラムや効果をまとめた小冊子を作成するための費用として使用する予定である。
|