2020 Fiscal Year Research-status Report
軽度認知障害診断直後からの教育プログラムによる支援体制の構築
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20K11038
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
飯山 有紀 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (00792087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小路 純央 久留米大学, 付置研究所, 教授 (50343695)
古村 美津代 久留米大学, 医学部, 教授 (70320249)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 軽度認知障害(MCI) / 教育プログラム / 認知症疾患医療センター / 認知症予防 / 精神保健福祉士 / 保健師 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:以下MCI)は認知症へのコンバート率が高く、早期対応による予防が期待されている。しかし、MCIは治療対象ではなく、他の疾患と比べて病識がないことや、フレイル、独居、老々介護等の様々な課題から社会的に孤立している現状がある。故に、もの忘れ外来受診を好機とし、MCI者が主体的に認知症予防に取り組むための支援を開始し、地域との連携によって定期的な受診のサポート体制を構築することは重要な課題である。 2020年度は、当初の予定であった教育プログラム作成のため、A市認知症ガイドブックおよび認知症疾患診療ガイドライン2017を参考に、軽度認知障害(MCI)に対する教育内容を研究分担者と検討した。「認知症の理解を促す指導」と「これまでの運動、食事、睡眠、喫煙など生活を振り返り目標を一緒に考える指導」について、教育プログラムの内容をさらに吟味するために、軽度認知障害(MCI)への支援の現状を認知症疾患医療センター(以下、センター)で調査する予定であったが、新型コロナウイルス感染症感染拡大のにより、センターでの臨床研究に見通しがたたない状況が続いたため、軽度認知障害(MCI)への支援の現状を明らかにすることを優先し、軽度認知障害(MCI)診断直後にどのような支援が開始されているか、またどのような困難を抱えているかを明らかにすることを目的とし、研究計画を修正した。 インタビューガイドを用いた半構造化面接による質的記述的研究デザインによって、A県認知症疾患医療センターで相談業務を担っている精神保健福祉士および保健師等10名を対象に、Web(Zoom)を使用した遠隔面接とした。人を対象とする医学系研究に関する倫理審査の承認をうけ、対象者へのご依頼を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、認知症疾患医療センターでの軽度認知障害(MCI)の支援をとおして教育プログラムを検討し、教育プログラムを作成する予定であった。しかしながら、研究フィールドのもの忘れ外来の患者受け入れ縮小や立ち入りに制限がでたことで実施が困難となった。研究計画の修正を行ったため大幅な遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、1.認知症疾患医療センターフタッフ10名へのインタビューを行い、質的帰納的に分析を行う。さらに、インタビューにおいて明らかとなった結果を参考にアンケート調査項目を作成し、全国の認知症疾患医療センターで軽度認知障害(MCI)への支援を担当している精神保健福祉士および保健師等に対するアンケート調査を行い、調査結果について因子分析を行い、認知症疾患医療センタースタッフが軽度認知障害(MCI)診断直後に抱えている困難を明らかにする。 2.教育プログラムについては、A市認知症ガイドブックおよび認知症疾患診療ガイドライン2017を参考に作成してきた教育プログラムについて、1.の研究結果をもとに再度検討する。
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Causes of Carryover |
2020年度は教育プログラムを検討し、介入研究のためのウェアラブル活動量計やiPad等の購入、通信料を予定していた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症のために介入研究が困難となり、器機の購入が無駄になることや器機が古くなることを避けるために購入を控えた。今後の状況に合わせて、研究フィールドから介入研究が可能であると判断された場合に最新の機器を購入予定である。また、旅費については学会がオンラインで開催されたことから不要となった。
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