2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢頭頸部癌患者の化学放射線療法による有害事象に対する口腔内評価ツールの開発
Project/Area Number |
20K11066
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
野中 雅人 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (30835286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 ユカリ 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00272899)
熊井 琢美 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00596306)
牧野 志津 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30814503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 高齢者 / 化学放射線療法 / 口腔内評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、化学放射線療法を受ける高齢頭頸部癌患者の口腔内有害事象を評価するツールの開発である。 現行において病棟で使用されていたEilers Oral Assessment Guide(以下、EOAG)(8項目:嚥下、口唇、舌、粘膜、唾液歯肉、歯と義歯)に、CRT特有の有害事象の項目(5項目:疼痛、味覚障害、開口障害、嗅覚障害、感染)を含めたCRT対応口腔内評価ツールプロトタイプ(以下、プロトタイプ)を検討した。量的データは、EOAGにより評価した群40例(対照群)、プロトタイプにより評価した群40例(介入群)を分析対象とした。 治療終了後日数とEOAG項目との多変量解析では、治療終了時の「嚥下」は治療終了後日数の短縮に関連する独立した因子(β=0.430、P=0.004、調整済みR2=0.188、VIF=1.004)であった。退院時のプロトタイプとEOAGの各項目やエンドポイントとの相関では、プロトタイプの開口障害は、EOAGの「声」、「口唇」、「舌」、「歯肉」、「歯と義歯」、及びOAG合計点とに相関を認め、口腔内感染は、「舌」、「粘膜」、「歯肉」、及びOAG合計点とに相関を認めた。嚥下時痛は、「粘膜」、OAG合計点とに相関を認めた。味覚障害、嗅覚障害は、EOAGの各項目と相関しなかった。 以上の結果から、プロトタイプ群の味覚障害、嗅覚障害は、EOAGの項目と相関しなかったため、新たに観察すべき項目として示唆を得た。また、治療終了後日数と「嚥下」に関連を認め、摂食嚥下機能の維持向上が治療終了後から退院までの入院期間に影響する事が示唆された。 次に、看護師はプロトタイプによる評価を実施したことにより、ケアにどう繋げたかを明らかにするために、看護師7名にインタビューを実施した。現在質的に分析を進めており、令和5年度中にケアへのプロセスを明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナの影響により、量的データ収集は遅れたが、データ収集後は分析を進め、看護系学術集会で成果を発表した。また研究分担者と確認しながら、論文を作成し、医学雑誌に受理され、今後掲載予定である。 質的データについても、対面インタビューにより分析可能な看護師7例のデータを得た。現在、質的記述的分析法により分析中である。令和5年度中には論文を投稿する予定で研究活動を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
量的データでは明らかにできないケアへのプロセスについて、質的分析を実施し、プロトタイプの成果について評価する。分析後は、看護系学会へ論文を投稿する。 コロナ禍により予定していた物品について、変更もあったが、おおむね予定通り執行できており、令和5年度は学会参加費及び旅費や論文投稿時の費用として計上する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で量的データ収集が遅れたため、令和4年度に学会発表し、学会参加費や旅費などに経費を使用した。令和5年度は、質的データ分析及び論文執筆し、学会参加、旅費などのため、経費を使用予定である。
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Research Products
(2 results)