2023 Fiscal Year Annual Research Report
高齢頭頸部癌患者の化学放射線療法による有害事象に対する口腔内評価ツールの開発
Project/Area Number |
20K11066
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
野中 雅人 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (30835286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 ユカリ 旭川医科大学, 医学部, 名誉教授 (00272899)
熊井 琢美 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00596306)
牧野 志津 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30814503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 化学放射線療法 / 高齢者 / 口腔内評価ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、化学放射線療法を受ける高齢頭頸部癌患者の口腔内有害事象を評価する口腔内評価ツールプロトタイプ(以下,プロトタイプ)を開発することである。研究期間内において、第42回日本看護科学学会学術集会で示説発表を行い、論文投稿については「野中雅人、熊井琢美、服部ユカリ、他(2023)化学放射線療法を受ける高齢頭頸部がん患者の口腔内有害事象に対する評価項目の検討.北海道医学雑誌.98(1).19-25」に掲載された。この論文では、既存のエイラーズ口腔アセスメントガイド(Eilers Oral Assessment Guide:以下,EOAG)に観察項目が含まれない開口障害、味覚障害、嗅覚障害、疼痛、口腔内感染の有用性を示した。プロトタイプ群の味覚障害、嗅覚障害は、EOAGの項目と関連しなかったため、観察すべき項目として示唆された。また、治療終了後日数とEOAGの「嚥下」に関連を認め、摂食嚥下機能の維持向上が治療修了後から退院までの入院期間に影響することが示唆された。プロトタイプを量的に分析した後、開発したプロトタイプに関するユーザビリティ調査を行った。プロトタイプを使用した看護師へインタビュー調査を行い、質的記述的分析を実施した。ユーザビリティ調査では、本プロトコルが「有害事象の評価に適したツール」であることや、「評価の視点を学べる教育ツール」、「患者と共に観察を可能にするツール」という3つの活用可能性が示され、臨床における有用性について示唆を得た。本調査は、論文執筆を行い、日本がん看護学会へ論文投稿し2024年4月に採択された。 本研究課題で開発したプロトタイプを、今後臨床において継続的に活用し、さらにデータを収集することにより、高齢頭頸部がん患者の口腔内有害事象の評価ツールとして精錬させ、臨床において定着させていきたい。
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