2020 Fiscal Year Research-status Report
自殺の対人関係理論に基づいた高齢者への訪問型自殺予防プログラムの開発
Project/Area Number |
20K11074
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
廣川 聖子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (70331486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自殺予防 / 高齢者 / 訪問支援 / ナラティブ / 自殺の対人関係理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
自殺の背景には何らかの対人関係の文脈における困難があり,そのことが複数ある自殺の危険要因と相互作用し,自殺リスクを高める可能性がある。 高齢者の自殺には,Joinerらが提唱している自殺の対人関係理論で説明される,「負担感の知覚(自分が周囲に迷惑をかけており,生きているより死んだ方が価値があるという自己認知)」「所属感の減弱(居場所のなさ,価値のある他者から疎外されているという主観的体験)」といった主観的体験が影響していると考えられ,本研究では,高齢者に特有の負担感の知覚・所属感の減弱がどのようなものであるのか,どのような時にそれらが強まるのか等,当事者の語りを通して高齢者の内的世界を理解し,その体験のありようを明らかにすることを目的としている。さらには,それらの内容をふまえた効果的な支援プログラムを開発することを目指している。 2020年度は,高齢者の自殺や社会的孤立,孤独感等に関連した高齢者の体験について文献検討を行い,健康問題や心理社会的な要素等を整理した。それらの内容をふまえ,次年度以降は改めて本研究の対象となる高齢者の選定条件やインタビュー方法,インタビュー内容について検討し,実施に向け具体的な準備を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,2020年度は文献検討ならびに有識者へのヒアリングを行い,その内容をふまえインタビューガイドの検討,研究倫理審査への申請,研究協力施設の選定および研究参加者のリクルート等を予定していたが,COVI-19の影響による研究エフォートの減少等の理由から作業が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画遂行のタイムスケジュールを修正し,2021年度はインタビューガイドの作成,研究倫理審査への申請,研究参加者のリクルート,インタビューを実施することを目指す。
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Causes of Carryover |
2020年度の研究実施内容について,COVI-19の影響により研究協力施設への依頼・調整や研究参加者のリクルート,インタビュー等の実際の調査実施にまで至らず,予定より少ない執行額となった。
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