2022 Fiscal Year Annual Research Report
仮設住宅で生活する高齢者のオーラルフレイルとサルコペニアに関する研究
Project/Area Number |
20K11121
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Research Institution | Fukuoka Nursing College |
Principal Investigator |
宮坂 啓子 福岡看護大学, 看護学部, 講師 (40524814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮園 真美 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (10432907)
内藤 徹 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10244782)
角森 輝美 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (20807101)
森中 惠子 福岡看護大学, 看護学部, 准教授 (40592978) [Withdrawn]
町島 希美絵 福岡看護大学, 看護学部, 准教授 (90767443)
松尾 里香 福岡看護大学, 看護学部, 助教 (90455072)
山中 富 福岡看護大学, 看護学部, 助教 (30818521)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 被災者 / 高齢者 / オーラルフレイル / サルコペニア / 無歯科医地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年7月の熊本豪雨災害で被災し、無歯科医地域の仮設住宅で生活する高齢者のオーラルフレイルとサルコペニアの関係性を明らかにすることが本研究の目的であった。COVID-19感染拡大で現地調査ができず、調査実施日は令和4年10月22日で、既に多くの被災者が仮設住宅を出て自宅やアパートに移り住み、その時点では約100名が居住していた。対象者は仮設住宅で生活する高齢者16名(男性6名、女性10名)、1名は30年前から車いす使用のため、オーラルフレイルとサルコペニアに関する分析から除外し対象は15名とした。 属性の平均年齢は75(±7.5)歳、口腔機能は現在歯数17(±11)本、オーラルフレイル合計点は3.87(±2.4)点、OHAT-J点は3.27(±2.2)点、反復唾液嚥下テスト(4.6/30秒±1.8)回、BMI は 25.7(±3.6)、平均5M普通歩行速度は5.6秒(±1.9)、平均5M最大歩行速度は4.5秒(±1.6)だった。また、避難時入れ歯が無かった3名、アマチュア無線や三味線など機材の流出で被災後に趣味がなくなったと答えた人は4人であった。相関では、年齢は、フレイル診断6のうつ傾向(r=-0.756**)、握力(左)(r=0.687**)と、オーラルフレイル合計点は、フレイル診断4の生活機能低下(r=0.823**)、フレイル診断5の認知機能の低下の恐れ(r=0.778**)と強く相関していた。 「フレイル合計点」の点数を従属変数として、口腔関連項目、食行動・食態度の積極性項目を投入し重回帰分析をした結果、「オーラルフレイル合計点」「食事が楽しい」によって適合するモデルを認めることができた。調整済み決定係数は、0.519であった。 被災し、仮設住宅で生活する高齢者には、全身のフレイルの予防のためにも、オーラルフレイルのチエックや歯科指導の介入が示唆された。
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