2020 Fiscal Year Research-status Report
Research for Community Oriented Approaches for Comprehensive Healthcare in Emergency Situations (COACHES)
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20K11132
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
木下 真里 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (50849809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
敷田 幹文 高知工科大学, 情報学群, 教授 (80272996)
田之頭 恵里 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90758905)
森下 幸子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (40712279)
神原 咲子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90438268)
山田 覚 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70322378)
畠山 典子 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (80806042)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Disaster / Mobile tool / Triage / Health Assesment / Nurses / Anonymous / Complete enumeration / Standarization |
Outline of Annual Research Achievements |
1.モバイル・ツール開発のための事前調査 国内外の被災地における人的被害状況の把握について文献資料の検討を行い、災害時の情報収集・活用に係る諸課題解決のためのモバイル・ツール開発の【必要性】【妥当性】を検討した。特に、東日本大震災に関する人的被害報告を調査し、現行の情報収集方法では人的被害全体像の把握に1年程度かかること、傷病者の把握が困難であることなどを明らかにした。 2.モバイル・ツールの開発準備 上述1.の成果及び先行研究の成果を踏まえて、モバイル・ツールの基本コンセプトを以下のように決定した。【匿名性】氏名や住所などの個人情報と切り離して安否、健康状態、生活状況を把握する。【悉皆性】被害の全体像を把握するために、被害の程度にかかわらず被災者全員の情報収集を行うこと。【標準化】データ収集は医療有資格者に制限し、最新医療情報を参照できる機能を搭載する。さらに、新型コロナウィルス感染症【COVID-19】流行拡大をふまえ、自然災害等が重複して起こる複合災害時の対策として、分散避難やデータ収集にかかる時間および接触の度合いの軽減にも効果を発揮できるものとした。 3.実用化に向けての諸課題の解決 ツールの実用化および自治体への導入・普及促進に向け、プロトタイプの開発準備、前提となるQRコードを使った個人情報管理方法の検証を開始した。また、実用化に不可欠な以下の項目についても検討を行った。【適法性、防犯】個人情報を安全に扱う方法、医療従事者等なりすまし防止策、データ管理、情報の不正利用防止対策を検討した。個人情報の管理、閲覧履歴が確認できるか。支援実施者の特定が可能か。使用者の資格情報、経歴が確認できるか。職能に応じたデータアクセス権限の付与を検討。【持続発展性】ゴール3,11を中心としたSDGsへの貢献、既存の資源を最大限利用することによる環境負荷の軽減。実用化予算獲得に向けての準備。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主に初年度実施予定であった事前調査は、COVID-19流行の影響を受けて、当初予定していたフィールド調査が実施できなかったが、代わりに実施した文献検討で十分な検証を行うことができた。さらに、モバイルツールの基本コンセプトが明らかになり、次年度以降の研究の準備が進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.モバイルツールの開発 ツール開発予算の獲得に必要なデータ収集のため、初年度実施できなかった国内外調査を実施する。国外調査対象地は当初計画通り、日本と社会経済水準が類似しており、災害対応で先進的取り組みが実践されている台湾・米国・イタリアとするが、調査内容には各地域におけるCOVID-19対策を加える。 2.実証研究 モバイル・ツールのプロトタイプ(QRコードを用いた情報収集方法およびWebアプリ)を国内各地の防災訓練や実被災地で実際に使用し、その【妥当性】【実現可能性】【効率性】【効果・インパクト】【持続可能性】を検証する。調査対象地は、COVID-19収束状況を考慮して、渡航可能な場所を選定する。 3.課題解決 上述の研究成果に基づいて抽出された課題解決を図り、必要であればさらなる研究計画を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、当初計画していた国内外調査地への渡航を控えたため、旅費の一部が未執行となった。今年度はCOVID-19収束状況を踏まえた上で、今年度計画に前年度未実施分を含めて規模を拡大して調査を実施することにより、予算を執行する予定である。
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Research Products
(3 results)