2020 Fiscal Year Research-status Report
立位姿勢のタイプ分けに基づく歩行速度の規定要因分析および介入プログラムの開発
Project/Area Number |
20K11162
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩田 晃 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (90382241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淵岡 聡 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (30290381)
米津 亮 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (50363859)
樋口 由美 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (60312188)
片岡 正教 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 講師 (60611910)
杉山 恭二 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 助教 (70774610)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歩行速度 / 高齢者 / 立位姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の自立生活に必要とされる歩行機能の維持・向上のためには,高齢者それぞれの個別性に対応した評価・介入が必要とされる。本研究の目的は,高齢者を対象とした立位姿勢のタイプ分類を行い,タイプごとの歩行機能の規定要因の分析,および介入方法の検討を行うことによって,高齢者の個別性に対応することである。 2020年度は,新型コロナウィルスに伴う緊急事態宣言等の影響もあり,地域高齢者を対象とした立位姿勢の分析や身体機能の計測は実施できなかった。そこで,①これまでに我々が蓄積していた高齢者の立位姿勢や歩行動作画像や身体機能データの再解析と,②若年者を対象とした実験を実施した。 ①では,立位姿勢の角度データに基づき,高齢者の立位姿勢のタイプ分けが可能なこと,さらにその基準が一定であることが主成分分析によって明らかとなった。また,歩行動作のバイオメカクニクス分析では,立位姿勢の角度データと歩行時の角度データには有意な相関があること,つまり立位姿勢と歩行姿勢には一定の関係があることが明らかとなった。また,立位姿勢のタイプごとに規定要因が異なる傾向があることや歩き方に特徴が認められる可能性についても検討することができた。 ②では,大学生を対象とした立位姿勢,身体機能,運動パフォーマンスについての検証を行い,これまで関係があると考えられていた骨盤傾斜角度と下肢筋力や走行速度の間には一定の傾向が認められないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が例年実施している地域在住高齢者を対象とした姿勢分析や歩行動作分析を中心とした身体機能の計測会を2020年8月および2021年2月に計画していたが,新型コロナウィルスの感染拡大に伴い,実施することができなかった。しかし,これまでに蓄積していた高齢者の立位姿勢や歩行動作の画像・動画データについて,これまで我々が用いてこなかったAIを用いた動画・画像解析が進んだことや,若年者(大学生)を対象とした実験を実施することで,多くの分析を進めることができた。 また,若年者を対象とした実験では,これまで我々の実験で正確性に問題を抱えていた骨盤傾斜角度の推定方法を確立させることができ,さらに,これまで関係性が想定・指摘されてきた立位時の骨盤傾斜角度と下肢筋力や走行速度に一定の関係が認められないという新たな知見を得ることができた。 これらのことから,細かい部分で問題は抱えているものの,研究全体としては概ね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,①立位姿勢のタイプ分けを行う際の基準の再確認,②立位姿勢タイプごとの歩行速度規定要因の検証,③立位姿勢ごとの歩行動作バイオメカクニクス解析,の3つについて検証を段階的に進めることを予定している。また,新型コロナウィルスの感染拡大に伴って,高齢者の解析が難しいことも想定できるため,その場合には,私の所属する大学の学生や共同研究を進めていている企業の社員を対象とした研究計画に変更する予定である。また,我々が現在取り組んでいるオンラインでの高齢者への運動介入への参加者を対象としたオンラインによる評価・分析を進めることについての検討も進めている。 2022年度は,2021年度の結果に基づき,立位姿勢タイプ別の介入方法の検討,および,それそれに適した補助具の開発を計画している。介入の方法については我々がこれまでに培ってきた「運動速度」に着目したトレーニング方法を中心とした運動プログラムの開発を検討している。また,サポーター等については,共同研究企業との共同開発を検討中である。
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Causes of Carryover |
昨年度,新型コロナウイルス感染症蔓延のため,8月に予定していた学内での近隣地域在住高齢者を対象とした身体機能計測会,また12月に予定をしていた堺市の地域在住高齢者を対象とした検証実験の両方に取り組むことができなかった。 次年度には2020年度に予定していた高齢者を対象とした検証・計測装置の製作にも取り組む予定のため,その検証に必要な歩行分析装置の購入,装置製作に予算の執行を予定している。また,オンラインを活用して大規模は介入研究にも取り組む予定としているため,タブレット端末やスマートウォッチ等の通信機器の購入やインターネット環境の充実に使用する。また,そのための人件費・謝金としても使用する計画である。
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[Journal Article] 未習熟課題に対する継続的なInternal Focus指示の効果について2021
Author(s)
金山篤樹, 南眞由香, 有原和, 武貞ゆりか, 大前麻希, 笹田啓太, 高橋ひな, 薮田拡武, 三上紘哉, 山本沙紀, 岩田晃
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Journal Title
理学療法科学
Volume: 36
Pages: 29-34
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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