2022 Fiscal Year Annual Research Report
The neural mechanisms of the back and the abdominal muscles in the lumbar segments related to postural control and the effects of aging
Project/Area Number |
20K11242
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
丹羽 正利 杏林大学, 保健学部, 教授 (90274985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 也生子 杏林大学, 保健学部, 准教授 (00515827)
福田 実乃里 杏林大学, 保健学部, 助教 (40827680)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 固有背筋 / 腹壁筋 / 運動ニューロン / 運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、姿勢制御、呼吸や排尿・排便などの広範囲の運動に重要だと考えられる体幹筋、とくにその腹・背側を占める腹壁筋と固有背筋の役割を理解するために、その運動神経核の分布を明らかにすることが目的である。さらに、運動野を電気刺激することにより、刺激に関連して生じる身体の運動と刺激部位の関係を調べて,運動野における体幹筋の脳地図を作成することが目的である。 前枝運動ニューロンと後枝運動ニューロンの形態を比較すると、細胞数や細胞断面積の分布に差があった。腹壁筋の方が固有背筋群よりもずっと大きな筋であるため、それを反映しているものと思われる。一方、後枝運動ニューロンの細胞体断面積の分布は二峰性であったが、前枝運動ニューロンは単峰性であった。前枝運動ニューロンは、α運動ニューロンとγ運動ニューロンの細胞体にサイズの差が少ないか、γ運動ニューロンが極端に少ない/欠損する可能性が想定された。また、前枝運動ニューロンは側索に密な樹状突起を伸ばす一方、後枝運動ニューロンは前索方向に密な樹状突起を伸ばし、いずれの樹状突起も一部が前索や側索の白質部分にまで侵入していた。前者は側索を通る網様体脊髄路と後者は前索を通る前庭脊髄路と強固なシナプス結合をしていると考えられる。 大脳皮質運動領野にタングステン微小電極を刺入し微小電気刺激を行い、受動的関節運動に対する電気生理学的反応から、体幹筋領域、とくに腹壁筋領域、固有背筋領域を同定した。その後、左右の腹壁筋群、固有背筋群の数か所にワイヤー筋電図を刺入し、誘発筋電図を記録した。下肢筋の反応と各筋電図の刺激に対する応答性を調べた結果、下肢領域の閾値上の刺激強度で体幹筋が応答することが明らかになった。大脳皮質運動領野での体幹領域は下肢領域に隠されている可能性が示唆された。
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