2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢化社会におけるGDF-15を規定する因子の解明とサルコペニアの予防法の開発
Project/Area Number |
20K11259
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
福田 平 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (10648116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 敏明 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (50227790)
松本 晃裕 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (70323574)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | sarcopenia / healthy older females / GDF-15 / hemoglobin / renal function |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎えた現在では、サルコペニアの合併は、死亡のリスクを増加させ、自立した生活をするため、サルコペニア予防が重要な健康問題となっている。更に、高齢者ではプレサルコペニアの状態の骨格筋量減少がかなりみられ、サルコペニア予防には骨格筋量測定が必要であるが、時間を要し、プレサルコペニアを推定できるバイオマーカーが望まれる。健常女性高齢者のサルコペニア、推定糸球体濾過率(estimated glomerular filtration rate: eGFR)、ヘモグロビン、アルブミンなどの栄養指標のマーカーとしての成長分化因子-15(growth differentiation factor-15: GDF-15)の臨床的有用性を検討した。 地域在住高齢女性において、サルコペニアは66名中4名(6.1%)にみられた。血清GDF-15は、年齢とは正の相関を認めるとともに、歩行速度、eGFRと負の相関を認め、身体機能および腎機能と強く関連していることを明らかにした。さらに、多変量回帰解析において年齢、体格指数(BMI)を調整した後もeGFR、ヘモグロビンの両者がGDF-15の規定因子であることが判明した。血清GDF-15値は、eGFRとヘモグロビンを規定する独立因子であることが明らかになった。 GDF-15は腎機能障害と関連していることが知られているが、健常地域在住高齢女性において、それに貧血、サルコペニアのどちらが関連するか不明であった。今回、健常女性高齢者では、eGFRとヘモグロビンが血清GDF-15の規定因子であることを明らかにした。地域在住女性高齢者においてはGDF-15を介した腎機能障害はサルコペニアとではなく、貧血と密接に関連することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響で、臨床研究に参加できるリハビリ患者が少なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に協力してくれる患者をさらに増やしていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による影響で、研究推進に遅れが生じた。 次年度の研究に使用していく。
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[Presentation] 女性健常高齢者および心疾患患者における血清GDF-15濃度とサルコペニアとの関連についての検討.2020
Author(s)
金田宇行, 福田平, 松本晃裕, 廣瀬優, 柴崎郁子, 小尾正太郎, 豊田茂, 山口すおみ, 天野裕久, 有川拓男, 八木博, 阿部七郎, 福田宏嗣, 井上晃男, 中島敏明
Organizer
第26回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 (2020.7.18-19, Web開催)
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[Presentation] インピーダンス式非侵襲心拍出量計による和温療法中の心拍出量の即時的変化.2020
Author(s)
石坂勇人, 水嶋優太, 野澤直広, 片柳聡, 松本和久, 高橋玲子, 荒川智江, 半井美幸, 岡野美貴子, 山口すおみ, 豊田茂, 金田宇行, 福田平, 松本晃裕, 井上晃男, 中島敏明
Organizer
第26回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 (2020.7.18-19, Web開催)
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