2020 Fiscal Year Research-status Report
Differences in implicit views of sports by adolescent sports experience
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20K11346
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
大橋 恵 東京未来大学, こども心理学部, 教授 (30454185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤海 崇文 流通経済大学, 社会学部, 准教授 (60763349)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IAT / 潜在的態度 / スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の小学生はスポーツの習い事を経験する者が多く、中学生も多くが運動部に所属するが、その後多くはスポーツすることをやめてしまう。スポーツ継続の条件は環境的な条件を中心に様々検討されているが、純粋に心理的な要因、スポーツに対するイメージも影響するのではないか。本研究は、潜在的なスポーツ観と顕在的なスポーツ観を測定し、それが青少年期のスポーツ経験によっていかに影響されているのかを、複数の手法を組み合わせて検討する。 本年度はまず予備調査として、大学新入生に対してスポーツに対するイメージと高校時代のスポーツ経験について調査を行い、前年度の調査と合わせ論文にまとめた。 次に、潜在的スポーツ観の測定に当たり適切な言葉を選定するため、大学生31名を対象にスポーツに関係する言葉と・関係しない言葉の選定のための予備調査を行った。 研究1として、潜在的運動・スポーツ観2種類(望ましさと楽しさ)に対応したIAT課題をオンラインで実施し、相関関係を見た。その結果、2つの潜在的スポーツ観の相関はほどほどに高かった。再テスト信頼性(1か月以上あけて再測定)はあまり高くはなかったが、IATを用いた先行研究と同レベルであった。 研究2として、大学生約300名を対象に潜在的スポーツ観および顕在的スポーツ観、さらに過去のスポーツ経験や、過去に指導をうけた指導者像、現在のスポーツ実施等とのかかわりなどを測定した。その結果、顕在的スポーツ・運動観と潜在的スポーツ・運動観には弱い正の相関が見られた。また、潜在的スポーツ・運動観がポジティブな人ほど、メディアや有名人の行うスポーツにたくさん触れたり、スポーツを行うのが好きであったりする傾向が見られた。また、楽しさ条件の潜在的運動・スポーツ観のみが実際の運動実施頻度や運動有能観と関連が見られるなど、2種類(望ましさと楽しさ)の潜在的態度に多少違いが見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
突然の遠隔授業対応のために研究への着手が遅れたが、オンライン対応のソフトを購入し、後期に入ってきちんと進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
潜在的態度と顕在的態度の相関は見られたが、かなり弱かった。これは、潜在的態度を測定する際に、カテゴリーラベルを「快」「不快」とする標準的なIATを用いたことが関連する可能性がある。潜在的態度の測定方法にはいくつかバリエーションがあり、どれが最適かについては色々な考えがありえる。そこで、2021年度は研究2と同様の仮説をバリエーションを変えて検討していきたいと考える。また研究1,2の学会発表および論文化を進める。
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Causes of Carryover |
社会人対象の大規模調査を行う予定であったが、先行研究を調べるうちに測定方法にかなりバラエティがあることに気づき、先に学生対象調査を行い様子を見てから社会人対象調査を実施する計画に変更したため。また、研究1への参加者が予定よりも少なかったこと、コロナ感染症対策で、学会がオンライン開催となり旅費がかからなかったことも次年度使用額が生じた一因である。 来年度は、測定の仕方を変えて実験を行うために発生する実験参加者への謝金、今年度収集したデータの分析結果を見ながら行う社会人対象実験の実施費などに使用する予定である。
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Research Products
(3 results)